債務整理 弁護士コラム
借金が3本以上あってどこにいくら借りているかもよくわからず、もっと管理をしやすくする方法を探している、あるいは少しでも利息を減らすにはどうしたらいいのか、というような不満をお持ちの方には、「おまとめローン」によって借金を1本にまとめるという方法があります。
この記事では、
・おまとめローンとはどういうものか?
・おまとめローンを使うメリットやデメリット
・実際におまとめローンを使いたいときの手続き方法
といった内容について解説します。
2社以上から借りていたお金を1社にまとめれば、多くのケースで金利の負担は小さくしてもらえますし、返済も月に1回でよくなるので管理がとてもしやすくなるでしょう。
ただし、おまとめローンそのものには借金の元本を減らす効果はないことに注意しておきましょう(借金の残高を減らす方法についてもこの記事で紹介しています)。
おまとめローンを利用することのメリットは、2本以上あった借金が1本になることで、お金の管理がしやすくなって返済計画を立てやすくなる点があげられます。
借金返済のために月に何度もATMに行くというのはとても面倒ですし、もし返済忘れなどがあれば最悪の場合にはいわゆるブラックリストに載ってしまいます。
借金が2本以上あって、管理がしにくくなっているという方は、おまとめローンを検討してみるとよいかもしれません。
おまとめローンを使うメリットとしては、借金の管理をしやすくなるのに加えて、次のようなこともあります。
毎月のローン返済で生活費のほとんどがなくなってしまう……という状態の方は、おまとめローンで返済生活を楽にできる可能性があります。
というのも、おまとめローンで借金を一本化すると、まとめた後の債権者との交渉しだいで毎月の返済額を小さくしてもらえることがあるのです。
もっとも、毎月の返済額を減らせば当然ながら金利の負担は大きくなりますし、完済までも時間がかかることになりますから注意が必要です。
おまとめローンを利用する場合、最終的に一本化する先の金融機関から現在のローン残高総額を貸してもらい、これまで借りていた借金についてはいったん返済することになります。
たとえば、消費者金融Aから50万円・Bから30万円・Cから20万円という形で合計100万円を借りていた人が、新たに銀行Dから100万円を借り、A・B・Cの分は完済するといった具合です。
銀行Dからすると、あなたは多めの金額を借りてくれる「良いお客さん」ですから、契約時に利息を少なくしてくれる可能性があります。
トータルで負担する金利が少なくなれば、借金完済までのスケジュールをかなり早めることができるでしょう。
なお、上のケースで過去に借りていたA・B・Cについては契約を解消することが求められますから、借入可能額が増えるわけではないことに注意しておきましょう。
おまとめローンには上で見たようなメリットがある一方で、次のようなデメリットがあることを理解しておきましょう。
以下、順番に説明します。
おまとめローンを利用するためには、すでにかなり大きな金額の借金残高がある状態で新たにローン審査を受ける必要があります。
必然的に審査も厳しく行われることとなりますから、状況によっては審査落ちということも考えられるでしょう。
こちらも審査の内容やあなたの信用状況にもよりますが、借金をまとめた後のおまとめローンの貸付利息が、通常よりも高く設定される可能性があります。
可能であれば、現在利用している複数の借金との貸付利息と比較したうえで、おまとめローンを利用するかどうか判断するようにしてください。
おまとめローンを利用した場合、毎月の返済額を以前よりも少なくしてもらえる場合が多いです。
一見、かなり返済が楽になるように感じますが、毎月の返済額が少なくなるということは、返済期間が長くなることを意味します。
たとえば、100万円借りて毎月10万円返すなら10か月で完済できますが、毎月4万円しか返さない場合には25か月かかります。
返済期間が長くなると、当然ながらその返済期間中はずっと利息が発生することになりますから、トータルで見ると出ていくお金はかなり大きくなってしまうでしょう。
おまとめローンはあくまでも借金の管理をしやすくするためのもので、借金の残高が減るわけではないことを理解しておいてください。
実際におまとめローンを利用する際には、以下のような流れで手続きをする必要があります。
それぞれの手続き内容について順番に説明します。
まずはおまとめローンを扱っている金融機関がどこかを調べて、ネットの公式サイトや電話・FAXなどで申し込みをしましょう。
申し込みをしたその日のうち~翌営業日ぐらいにメールや電話で仮審査の結果がきます。
申し込みした金額で借り入れできる見込みがあるかどうかの結果を大まかに教えてくれるとともに、本審査に進むための必要書類を提出するよう求められます。
提出するのは本人確認書類やあなたの収入を証明する書類(源泉徴収票など)です。
最近ではスマホアプリを使い、カメラで撮った写真を送信する形でも必要書類を提出できるケースがありますので便利です。
仮審査で問題がなければ、本審査へと進みます。
記入したあなたの勤務先に対して電話で在籍確認などが行われます。
本審査の結果、問題がなければおまとめローンの契約を締結します。
駅前にある無人機などで契約手続きをするよう求められるのが一般的ですが、ネット完結で契約手続きができる場合もあります。
契約書には毎月の返済額や貸付利率などが明示されていますので、よく確認しておくようにしましょう。
契約を締結すると、別の金融機関から借りていたお金を返済するためのお金があなたの口座に振り込まれます。
これを別の用途に使ってしまうと、信用情報機関で事故情報が登録されるなどの大きなデメリットがありますから、絶対に使い込まないように注意してください。
振り込まれたお金で過去に契約していた金融機関のローン残高を完済します。
結果的に借金はおまとめローンを利用した金融機関に一本化され、今後はその金融機関1社のみに対して返済していくこととなります。
ここまではおまとめローンについて説明しましたが、複数の借金をひとつにまとめる方法は他にもあります。 具体的には、次の3つの方法が考えられるでしょう。
それぞれの方法の特徴について説明いたします。
より利用限度額が大きいカードローンを組むことができれば、借金をひとつにまとめることが可能です。
簡単にいえば、使っているカードローンとは別のカードを一つ増やして、今まで使っていたところの分は完済してしまうということですね。
おまとめローンとよく似た方法ですが、新たにローンを組んだ後に、これまで使っていたローン会社も使い続けることができる点が異なります。
当然ながら、新たに利用するカードローン会社の審査に通る必要がありますが、現在の借金総額が比較的少額である場合には審査に通る可能性はあります。
あなた名義になっている土地や建物などの不動産がある場合、それらを担保にしてローンを組める可能性があります。
ただし、担保にするということは、もし借金を返済できない場合には、その土地や建物の所有権を譲るという意味ですから、返済遅れは絶対にしないように注意しなくてはなりません(そうしないと土地や建物の所有権を失うことになってしまいます)。
また、可能であれば金融機関以外(友人知人や親族など)からお金を借りることも検討しましょう。
金融機関以外から借りる場合には利息を取られることは少ないでしょうから、返済負担を小さくすることができます。
もっとも、返済が遅れたり、踏み倒したりしてしまうと信頼関係が決定的に破綻してしまいますから、こうしたことは絶対に避けなくてはなりません。
自営業として活動している方は、消費者金融の無担保ローンなどから、事業性のローンに組み替えるのも一つの方法です。
事業者向けのローンは一般的な金融機関でも受け付けていますが、日本政策金融公庫などの公的金融機関を使えば、非常に低金利でお金を借りられる可能性があります。
その際には事業計画書や決算書を準備する必要がありますから、過去の確定申告書などを準備しておくようにしましょう。
債務整理とは、法律的な手続きを行うことによって合法的に借金の残高を減らしてもらえる方法をいいます。
債務整理には任意整理・個人再生・自己破産などの方法があるのですが、以下ではもっとも簡便な方法である任意整理についてメリットやデメリットを説明します。
任意整理とは、簡単にいえば借金の債権者と話し合いを行うことによって、借金の返済負担を一部免除してもらう方法です。
「そんな話し合い、本当に認めてもらえるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、借金の債権者としてもお金を貸した相手が自己破産してしまったりしたら借金のすべてが回収できなくなりますから、「一部でも返してくれるなら」ということで話し合いに応じてくれる可能性があるのです。
任意整理の手続きは、弁護士を通じて行うのがおすすめです。弁護士などの法律家を通してこうした話し合いを行うことで、債権者側も話し合いに応じてくれる可能性が極めて高くなります。
弁護士に依頼した場合は、相手が消費者金融や銀行といった金融機関である場合、利息の免除などの方法で借金の減額を認める場合がほとんどです。
また、過払い金が発生しているようなケースでは、任意整理の手続きと同時進行で過払い金返還請求を行ってくれますから、借金返済の負担は大幅に軽減される可能性があります。
一方で、任意整理を行うことにはデメリットもあります。
もっとも大きなデメリットは、任意整理を行うとあなたが金融機関のブラックリストに載ってしまうことです。
あなたがどこからいくらぐらいの借り入れをしていて、これまでにどういう形で返済を行ってきたかという情報は、すべての金融機関が参加している信用情報機関という情報ネットワークで管理されています。
もし、あなたが任意整理を行った場合には、「この人は過去に任意整理を行ったことがある」という情報が信用情報機関に登録されてしまいます。
そうなると、新たにクレジットカードを作ったり、カードローンの申し込みをしたりする際には審査にほぼ通らなくなってしまうのです。
もっとも、「今後はもう借金をしない」という気持ちでいる方にとってはブラックリストに登録されることはそれほど大きなデメリットにはならないでしょう。買い物をするときにクレジットカード払いができなくて不便というぐらいです。
上で見たような債務整理(任意整理)の手続きは、借金を負っている人が自力で行うことも法律上は可能です。
しかし、借金の問題は法律知識のない方自力で解決するのはなかなか難しいというのが現実です。
債務整理を行う場合、対策を考えるのが早いほど選択できる方法が多くなりますから、少しでも早いタイミングで弁護士に相談してみてください。任意整理の他に、個人再生や自己破産など、あなたの状況にもっとも適した方法を提案してもらえます。
「そもそも自分が債務整理すべき状態なのかどうかもよくわからない」という場合にも、弁護士はあなたにもっとも適した解決策を提示してくれます。
初回の相談は無料で受け付けている場合がほとんどなので、今手元にお金がなくて困っている……という方であっても安心して相談することができます。
今回は、借金の金額が大きくなって困っているという方向けに、借金をまとめる方法(おまとめローン)のメリットやデメリットについて解説いたしました。
本文でも見た通り、おまとめローンは返済の手間を減らしてくれる便利な方法ではありますが、借金の金額そのものを減らす効果はないことに注意しておきましょう。
現在、約束した返済日に返済ができない月があるという人は、すでに借金の金額が大きくなりすぎている可能性が高いです。
大きくなりすぎてしまった借金を減額してもらう方法としては、任意整理や個人再生といった債務整理を選択するという方法がありますから、ぜひ検討してみるとよいでしょう。
借金でお困りの際は、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。弁護士が、あなたの状況に適した解決方法をご提案いたします。
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『旦那や家族には言っていないけど、実は私、借金を抱えてます…』
実は、主婦で借金を抱えている人は多く、それを言えずに悩んでいる方もたくさんいるのが現状です。もしかしたらこの記事をご覧のあなたも、そういった悩みをお持ちなのかもしれません。
一人で悩むことなく、主婦で借金をしている人は意外と多いということを知っていただいて、ぜひご自身の借金返済について前向きに考えていってください。この記事があなたにとって、ご参考になれば幸いです。
これから債務整理をしようと考えている方の中には、債務整理後にキャッシングできるのか、債務整理中にお金が足りなくなったときキャッシングを利用することは認められるのかと、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどを法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
親子であっても、他人の借金を返済する義務は原則としてありません。肩代わりするかどうかは、基本的に子ども自身の判断で自由に決められます。
しかし親の借金でも子どもに返済義務が生じることがあり、借金を放置すると子どもが差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、親の借金が降りかかってきた場合に、子どもはどのように対処すればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。