債務整理 弁護士コラム
競馬などのギャンブルで負けたお金を、ギャンブルで取り返そうとすると、どんどん深みにはまってしまいます。
根本的な解決を図るためには、まったく別の解決方法を検討する必要があることを理解しておいてください。
この記事では、
•どうしても競馬をやめられない人の心理と、依存から抜け出す方法
•競馬で作ってしまった借金を減額してもらう方法
•借金減額の手続きを行うために必要な費用の相場
といった内容について解説いたします。
債務整理を使えば、合法的に借金の負担を大幅に小さくしてもらうことが可能ですから、ぜひ検討してみてください。
競馬にはまって借金を作ってしまう人の中には、自分では気づかないうちに依存状態になってしまっている方も少なくありません。
借金をしてまで競馬にお金をつぎ込んでしまう人や、気がついたらいつも競馬に関する情報サイトやスマホアプリを見てしまっている……という方は、すでに競馬に強い依存をしてしまっている可能性が高いでしょう。
依存状態になってしまっている人が競馬をやめるためには、ギャンブルにはまってしまう人間の心理について正しく理解したうえで、「治療」という観点から対策を講じていくことが大切です。
以下では、競馬に待ってしまう人の心理状態(競馬をやめられない理由)についてくわしく見ていきましょう。
競馬などのギャンブルにはまってしまうきっかけとして多いのがストレス解消です。
日常のストレス解消のためにギャンブルをする人は多いですが、問題は、もし負けた場合にはさらに強いストレスを受けることになる点です。
そして、ギャンブルは負けたときに強いストレスを感じさせる一方で、勝ったときには強烈な開放感を与えます。
勝ったときの解放感を渇望してギャンブルをし、勝ったら今度もまたやろうと思いますし、負けたらさらにギャンブルをしてしまう……という悪循環が起こります。
これを繰り返すうちに、ギャンブル以外の日常行為から受ける刺激には鈍感になり、さらにギャンブルへの依存状態を深めることになるでしょう。
競馬その他のギャンブルへの依存から抜け出すのが難しい理由は、このように勝っても負けても悪循環のループが始まってしまうという点にあるのです。
ギャンブル好きな仲間との付き合いも、ギャンブル依存を強める要因となります。
職場など、日常的に交流のある人が競馬などのギャンブルに強い関心を持っている場合、あなた自身がギャンブルをやめようと決心していたとしても強い誘因を感じてしまいます。
完全に競馬をやめるためには、日常的に交流する人とのコミュニケーションの取り方から見直す必要があるでしょう。
上で述べたこととも関連しますが、「過去に大きく勝ったことがある」という成功体験が、ギャンブルの依存から抜け出す際のハードルとなることもあります。
ここで勝ったら今までの分を取り戻せる、という気持ちがある上に、成功体験をしたときの強烈な高揚感を望むあまり、依存状態を深める結果となってしまうのです。
こうした依存状態を今よりさらに深めていった場合、さらに苦しい未来が待っていることをぜひ理解してください。
ギャンブルはあなたの精神をむしばむだけでなく、経済状態を壊滅的に悪くしてしまいます。
ギャンブルをやめるためには、強い心をもって継続すること、「今週はがまんできた」「今日で○日間、ギャンブル断ちが続いている」といったことに喜びを見いだすことが大切です。
借金の問題を解決するために、今日から第一歩を踏み出しましょう。
競馬で作ってしまった借金を解決するためには、以下の2つのことを同時進行で対策していくことが必要です。
競馬などのギャンブルは、投資効率という面から考えると圧倒的に非効率な手段であることを理解する必要があります。
そもそもギャンブルは、統計的に胴元(運営主体)が有利なように設計されているゲームです(そうでないと長期間にわたって運営が続けられるはずがありません)。
つまり、私たちお金をかける客側がトータルで勝つ見込みは最初からないのです。
株式投資その他の投資では、年間10%のリスクリターンがあれば非常に値動きの大きい投資といえます。
一方で、競馬などを投資としてとらえた場合には、トータルで見てもハイリスクローリターンな非合理的な投資となるケースがほとんどでしょう。
どれほど控えめにいっても、競馬は借金というレバレッジをかけて投資を行うべき対象ではありません。
競馬やギャンブルはあなたの経済状態を致命的に悪くしてしまうものであるということを深く理解する必要があります。
すでに作ってしまった借金については、可能であれば自力で完済することがのぞましいです。
しかし、それがどうしても難しい場合や、何年もの時間がかかってしまうような場合には、法律上の手続きによって借金を減額してもらうことを検討する必要があります。
これは一般に「債務整理」といわれる方法で、裁判所に借金の一部または全部を免除する旨の命令を出してもらうことによって、あなたが負っている借金の支払い義務を免除してもらうことが可能なのです。
もちろん、借りたお金は期限までに利息をつけて返すのが大原則ですが、すでに返済の見込みがなくなってしまった状態がいつまでも継続することは、あなたの人生をむやみに浪費することを意味します。
借金の金額がすでに大きくなりすぎてしまっている人は、法律の手続き(債務整理)によって借金の負担を大幅に減額してもらえることをぜひ知っておいてください。
債務整理を行うと、借金の負担を大幅に減額してもらえるという大きなメリットがあります。
その一方で、債務整理を選択することによって受けるデメリットもあることを理解しておきましょう。
以下では、債務整理を行うメリットとデメリットについて具体的に解説いたします。
債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産の3つの方法があります。
それぞれの債務整理の方法で減額してもらえる借金はおおよそ以下のようになります。
任意整理:利息の免除が認められます
個人再生:借金残高の一部を免除してもらえます。
自己破産:すべての借金が免除されます
比較的借金の金額が大きい場合には個人再生や自己破産を選択する必要がありますが、これらは裁判所を通して手続きとなるため、申立書類の作成などが複雑になります。
任意整理は減額してもらえる借金の幅は少ないですが、手続きにかかる期間や労力が小さいなどのメリットがあります。
債務整理を行うことのデメリットとして、手続き後はローンを組んだりクレジットカードを新しく発行してもらったりすることができなくなる点があげられます。
これは、債務整理したことが、金融機関が加盟している信用情報機関のデータベースに「事故情報」として登録されてしまうからです。このことをよく「ブラックリスト入りする」と呼ぶことがあります。
ブラックリスト登録期間中は、ローン審査に申し込みをしてもほぼ審査落ちとなってしまうことを理解しておきましょう。
債務整理をすると、借金の負担を大幅に減額してもらえる一方で、手続き後にはローンを利用することが難しくなります。
そのため、債務整理を選択する際は競馬その他のギャンブルは決して行わないようにし、収入の範囲内で生活をしていくことがとても大切になるでしょう。
債務整理について検討している方の中には、「競馬で作った借金は債務整理をしても減額してもらえない」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
具体的には、債務整理のうち自己破産を選択した場合には、借金を作ってしまった原因によって免責が認められないケースがあることに注意が必要です。
ただし、結論から言うと、競馬によって作ってしまった借金でも、裁判所の裁量によって減額や免除が認められているのが実際のところです。
以下では、どういう場合に債務整理による減額が認められるのか(どういう場合には認められないのか)についてくわしく解説します。
大前提として、債務整理の3つの方法(任意整理・個人再生・自己破産)のうち、「借金を作った原因」が問題となるのは自己破産のみです。
任意整理や個人再生では、どのような理由によって借金を負うに至ったかの原因が問われることはありませんから、競馬によって借金を作ってしまった場合にも問題なく手続きを行うことができます。
一方、借金を作った原因が競馬であることが問題となるのは自己破産の場合です。
「ギャンブルや浪費によって多額の借金を作ったこと」が破産法において「免責不許可事由」として定められているからです。
競馬は当然ながらギャンブルに該当しますから、法律のルールでは自己破産による免責を受けられないのが原則となります。
一方で、裁判所の裁判官には「自己破産の申し立てをした人の具体的な事情を見て、免責をするべきかすべきでないかを判断する」という権限が与えられています(これを裁量免責といいます)。
実際には、この裁量免責によってギャンブルによる借金でも免責してもらえるケースが少なくありません。
ただし、裁量免責を得るときには、原則として破産管財人による調査を経ることになります。したがって、財産が全くない人の自己破産であっても、同時廃止とはならずに(少額)管財事件となる可能性があります(裁判所によって運用が異なることもあります)。管財事件になれば、20万円以上の予納金を納める必要があり、同時廃止の場合よりも費用負担は重くなります。
また、破産管財人から自己破産申立後の生活状況を調査されることがあります。過去のギャンブルを反省し、きちんとした生活を送るつもりがない人にまで裁量免責を与える必要はないからです。調査のために、日記や家計簿の作成・提出を求められることもあるので、きちんと対応しなければいけません。
実際に債務整理を選択した場合、どのような形で手続きが進んでいくのかが気になっている方もいらっしゃるでしょう。
以下では、弁護士に依頼した場合の債務整理の手続きの流れについてみておきましょう。
債務整理は自力で行うことも法律上は可能となっていますが、実際には弁護士などの法律の専門家に手続きを依頼するケースがほとんどです
弁護士に手続きを依頼する場合、弁護士事務所が運営しているインターネットサイトなどから問い合わせをして初回の相談日時を決める必要があります。
多くの場合は初回の相談は無料で受け付けてくれていますので、指定される日時に事務所を訪問するようにしましょう。
初回相談の場ではあなたの具体的な状況を聞いてもらい、最適な借金解決の方法を提案してもらうことができます。
もちろん、無料相談をした結果、債務整理の手続きをやめることも可能です。
借金問題の相談ができる専門家としては、弁護士と司法書士の2種類があります。
極論を言えばどちらに相談しても大きな差はないのですが、認定司法書士には、簡易裁判所で取り扱える事件しか訴訟代理の権限が認められていません。
したがって、次の場合には、認定司法書士に依頼することができません。
•借金の金額が140万円を超える任意整理
•個人再生の申請代理(司法書士に依頼できるのは、書類の作成代行だけ)
•自己破産の申請代理(司法書士に依頼できるのは、書類の作成代行だけ)
競馬で多額の借金を抱えてしまったときには、任意整理だけではなく、個人再生・自己破産も視野に入れるべき場合が少なくありませんから、弁護士に相談・依頼された方が、安心なケースが多いといえるでしょう。
この記事を読んでいる方の中には、「債務整理によって借金の負担が減るのは知っているけど、債務整理をするための費用をねん出することが難しい・・・・・」という方もいらっしゃるでしょう。
当事務所の費用については、以下の弁護士費用ページをご参照ください。
詳しい費用については、弁護士に相談した際に見積もりを出してもらうことが可能なので、気軽に相談してみるとよいでしょう。
分割払いにも対応しているため、「今は手元にお金がほとんどなくて困っている・・・・・」という方も手続きを依頼できる可能性があります。
参考
今回は、借金をして競馬にお金をつぎ込んでしまった……という方向けに、返せなくなってしまった借金を解決するための方法について解説いたしました。
競馬などのギャンブルで作った借金は、債務整理の方法のうち自己破産を選択する際には問題となる可能性がありますが、実際には多くのケースで免責が認められています。
返せなくなってしまった借金にいつまでも悩んでいても、あなたの人生は決して良い方向に向くことはありません。
借金の負担は弁護士に相談することで大幅に減らしてもらえる可能性がありますから、ぜひ相談を検討してみてください。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
借金の返済日が迫っているのにお金が足りないという状況で、落ち着いていられる方はほとんどいないでしょう。
借金が返せなければ、「家族に借金がバレるかもしれない」「給料が差し押さえられてしまうかもしれない」と不安になり、慌てて対応してしまう人もいるはずです。
しかし、このような対応は、逆に状況を悪化させてしまうことも少なくありません。
本コラムでは、借金が返せないとどうなるのかを解説するだけでなく、借金が返せないときでもやってはいけないこと、借金が返せないときの正しい対処方法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
「期限の利益って何のことだろう?」「期限の利益喪失通知書が自宅に届いたけど、どうすればよい?」……借金をしている方のなかには、このような疑問をお持ちの方もいるでしょう。
期限の利益とは、「期日までにお金の返済をすればよい」という債務者と債権者(銀行や貸金業者など)の約束事を言います。
いつまでに借金を返せばよいのか、返済日をあらかじめ決めることにより、債務者は返済のめどを立てることができます。そして、「返済日に返す」ということは、それまでは返さなくていよいということです。
期限の利益という言葉においては、その「返さなくてもよい」ということを、「利益」と表現されています。
本コラムでは、期限の利益の基本情報や期限の利益を喪失するケース、期限の利益喪失通知が来た場合の対処法などについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
期限の利益について悩んでいる方のご参考になれば幸いです。
債務整理は、借金問題を解決するための法的手続きの総称です。
債務整理の手続きを通して、合法的な手段で借金を減額したり、返済そのものを免除したりすることができます。しかし、それと引き換えに、一定のデメリットもあります。
債務整理には任意整理や特定調整、個人再生、自己破産といった種類があり、それぞれ特徴や注意すべき事項が異なります。
そのため、借金問題を適切に解決するためには、自分に合った手続きを選ぶことが重要です。
本コラムでは、債務整理の各手続きにおけるデメリットや、債務整理のなかでも自分に合う方法の選び方について、ベリーベスト法律事務所 債務整理チームの弁護士が解説します。