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借金の踏み倒しはできない? できるケースと滞納したときのデメリット

2019年09月30日
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借金の踏み倒しはできない? できるケースと滞納したときのデメリット

借りたものは返すべきだと頭では分かっていても、返済がままならなくなり、「借金を踏み倒してしまいたい」という気持ちになってしまうことはありますよね。

結論から言うと、借金を踏み倒すのは法律的な条件がそろえばできます。
しかし、あなたにお金を貸した人も、そうしたことの対策を考えてから貸していることが多いでしょうから、そう簡単にはいかないことは理解しておきましょう。

今回は、

●借金を踏み倒すのが難しい理由
●借金を踏み倒したときのデメリット
●借金の踏み倒しができるケース

について具体的な例をあげながら解説します。

この記事が借金問題にお悩みの方の参考になれば幸いです。

1、借金の踏み倒しが難しい理由

借金の踏み倒しが簡単にはいかない理由として、次の3つがあります。

  • 貸金業者はあなたの住民票を取得できる
  • あなたの住所が分からなくても債権者は裁判を起こせる
  • 貸金業者は時効の中断をする

それぞれの理由について、順番に解説しましょう。

  1. (1)貸金業者はあなたの住民票を取得できる

    あなたが借金を踏み倒すために引っ越しをしても、貸金業者はいつでもあなたの住民票を取得できます。
    住民票を取得されたら、引っ越し先の住所も把握できますから、あなたの居場所はすぐにバレてしまうのです。

    住所を知られてしまうと、そのつど請求がくることになりますから、借金の踏み倒しは難しくなります。

  2. (2)あなたの住所が分からなくても債権者は裁判を起こせる

    あなたが引っ越しをしても、住民票の変更手続きをしなければ、債権者(お金を取り返す権利のある人)に住所を隠すことは可能です。

    しかし、その場合も債権者から裁判を起こされてしまうと意味がありません。相手の住所がわからない場合にも公示送達の方法を使えば裁判を起こすことが可能なのです。

    公示送達(こうじそうたつ)は、住所が分からなくても裁判を起こせる方法です。

    訴状を家庭裁判所の掲示板に2週間掲示すれば、債務者の家に通知したのと同じ効果を得られます。

    第百十二条 公示送達は、前条の規定による掲示を始めた日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。(後略)
    (引用:民事訴訟法第112条)

    裁判が行われるのを知らない債務者は、裁判に出廷できないため、裁判で敗訴することになります。

    (自白の擬制)
    第百五十九条 当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。(後略)
    (引用:民事訴訟法第159条1項)

    裁判で敗訴となると、債権者に居場所を見つかった際には、財産や給料を差し押さえられます。差し押さえとは、裁判所が強制的に財産や給料を処分することです。

    したがって、債権者が債務者の住所を分からない場合でも、借金の踏み倒しは難しいでしょう。

  3. (3)貸金業者は時効の中断をする

    一定期間放置された借金は時効にかかります。
    しかし、その期間中に債権者があなたに「借金を返してください」と請求をしたり、裁判に訴えたりした場合には、時効の期間計算はリセットされてしまうのです。

    こうしたルールのことを「時効の中断」と呼んでいます。

    以下の表にある時効中断を債権者が行った場合、債務者は借金の踏み倒しはできません。

    時効中断方法 時効が中断される期間 時効中断する条件
    ①内容証明郵便(※)を送付する
    (※)誰が誰に・いつ・どこへ・どんな内容を送ったか証明する郵便
    半年 債権者が行動を起こした場合
    ②裁判を起こす 時効は振り出しに戻る
    ③借金の一部を返済させる
    ※金額は関係なく、少額(3000円など)でも有効
    債務者が応じた場合
    ④電話などで借金があるのを認めさせる

    たとえば、借金が債権者によって5年以上放置された場合には、クレジットカード・消費者金融から借り入れしたあなたの借金は時効を迎えます。
    ※個人・公庫の時効は10年です。

    しかし、5年たつ前に、債権者に上記のような時効を中断させる行動を起こされると、借金の踏み倒しはできません。当然ながら、債権者は、あなたに借金踏み倒しをさせないために時効の中断をその都度してきます。

    そのため、現実的に考えて借金の踏み倒しは非常に難しいのです。

2、借金を踏み倒すデメリット3つ

「借金の時効を成立させるために、債権者からの連絡を無視するといい」という話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、借金の時効成立を狙って債権者からの連絡を無視していると、次のような日常生活に深刻な影響を与えるデメリットが生じる可能性があります。

  • 職場に電話をされる
  • ブラックリストに載る
  • 差し押さえをされる

1つずつ解説していきます。

  1. (1)職場に電話をされる

    債権者からの催促の電話(携帯・自宅)を無視し続けると、債権者はあなたの職場に電話がかけてくる可能性があります。
    あなたが不在の場合には、あなたの職場の人が電話を受けることになりますから、あなた宛てに貸金業者からの電話督促がきていることが知られてしまうおそれがあります。

    電話口で債権者が名乗らなかったとしても、その電話を受け取った職場の人が、Googleなどで着信番号を調べてしまうと、あなたが借金をしているのがバレてしまいます。

    職場の人に借金していることが知られると、仕事はしづらくなるでしょう。

  2. (2)ブラックリストに載る

    債権者の借金を61日〜3ヶ月滞納すると、ブラックリスト(※)に載ります。
    (※)ブラックリスト・・・信用情報に延滞などの金融事故情報が登録されること。

    ブラックリストに載ると、一定期間クレジットカードを使えなくなったり、ローンが組めなくなったりするといった不利益が生じます。

    またETCカード・ネットショッピングといった現金以外の取引もできなくなりますので、生活は不便になるでしょう。

  3. (3)差し押さえをされる

    3ヶ月以上、借金を滞納して自宅に届く支払督促も無視してしまうと、債権者から裁判を起こされて財産や給料を差し押さえされてしまうおそれがあります。支払督促とは、法律にのっとって貸したお金を返してくださいという最終警告の文書のことです。

    給料は全額差し押さえることはできませんが、4分の1までは差し押さえが可能です。

    また、差し押さえの対象になる財産として、価値のある不動産や動産(有価証券・66万円以上の現金・貴金属など)があります。
    もしあなたの自宅や自動車が差し押さえられてしまったら、生活は不便になるでしょう。

    さらに、裁判所から給料差し押さえがなされると、あなたの勤務先にも裁判所から連絡がいきますから、社内の人に借金について知られてしまいます。

3、借金の踏み倒しができるケース

ここまで、借金の踏み倒しが非常に難しい理由を解説してきました。その一方で、ごくまれに借金の踏み倒しができる場合もあります。

具体的には、次のような場合です。

  • 時効の中断をされずに一定期間がたった場合
  • 利息制限法の上限金利を超える金利が設定されていた場合

こちらも順番に見ていきましょう。

  1. (1)時効の中断をされずに一定期間がたった場合

    債権者から、上で見た時効の中断をされずに、一定期間が経過した場合は時効が成立します。
    具体的には、最終の取引から5年(※個人や公庫は10年)経過した後に、あなたが時効の援用をすれば、あなたの借金を帳消しにできます。

    時効の援用とは、簡単にいえば「この借金は時効にかかったので無効です」とあなたが債権者に対して主張することです。

    債権者に内容証明郵便で時効援用通知書を送付すると、時効の援用が成立します。時効援用通知書とは、時効の援用を使うと債権者に知らせる文書のことです。

    ちなみに、債権者との最終取引の日付が分からない場合、信用情報機関へ信用情報の開示請求をすると知ることができます。
    信用情報機関として代表的な機関はCIC・JICC・KSCの3つです。カードローン・クレジットカードなどの現金以外の借り入れや返済の記録などの信用情報を管理しています。

  2. (2)利息制限法の上限金利を超える金利が設定されていた場合

    債権者から、利息制限法という法律で決められた上限金利よりも高い金利を取られていたような場合、借金の踏み倒しができるかもしれません。

    利息制限法の上限金利は、あなたが負っている借金の金額に応じて、以下のように決まっています。

    • 借金10万円未満:上限金利は年利20%
    • 借金10万円以上~100万円未満:上限金利は年利18%
    • 借金100万円以上:上限金利は15%

    これよりも高い金利が設定されていて、しかもその金利をあなたが支払った場合、過払い金請求ができるかもしれません。

    過払い金請求ができる可能性があるのは、2010年6月17日より前に債権者(消費者金融・クレジット会社)から借り入れをしていた人です。

    取引を始めた期間を確認したいなら、債権者のホームページを確認して取引履歴の開示請求をするという手段があります。

4、借金踏み倒しに刑罰はない

「もし借金を踏み倒すことに成功したとしても、返すと言ったお金を結果として返さなかったのだから、詐欺罪に問われるんじゃ……」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、結論から言うと、借金を踏み倒したとしても刑罰には問われることはほとんどありません。お金を借りた段階では、返済するつもりがあったのであれば、それは詐欺には当たらないからです。

ただし、初めから返すつもりがないのに借り入れしており、しかもそのことが裁判で立証されたような場合には、懲役10年以下の詐欺罪に問われる可能性があります。

(詐欺)
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
(引用:刑法第246条)

このように、借金の踏み倒しで刑罰になるかどうかは、最初からだます意思があったのかが重要です。

5、借金を踏み倒さないで、返済するなら債務整理がおすすめ

借金を踏み倒すのが難しいことはわかったけれど、働いて返済するのも困難……と考えている方は、債務整理という方法を検討してみてください。

債務整理は、借金を合法的に減額してもらう方法です。債務整理には、次の3つの方法があります。

  1. (1)任意整理

    任意整理とは、債権者と交渉をして利息や遅延損害金を免除してもらうという形の債務整理です。

    大きな特徴は、任意整理したい債権者を選べることです。

    借金に保証人がついていたり、自動車やマイホームが担保に取られていたりする場合には、あなたが借金を約束通りに返済できないとまわりに迷惑をかけてしまいます。
    そのような場合に任意整理を選択すると、「担保のついている借金については今まで通りに返済を行う」という形をとることができるのです。

    借金を今まで通り返済していれば、債権者が担保に対する権利を実行してくることはありませんから、マイホームや自動車を持ち続けることが可能です。

    一方で、任意整理は債権者側の同意がないと成立しませんから、減額してもらえる借金の金額は小さくなる可能性が高いです(利息の免除のみになるのが一般的です)。

    任意整理は、連帯保証人に迷惑を掛けたくない場合や、担保に取られている財産の所有権を失いたくない場合に選択するメリットがある方法といえます。

  2. (2)個人再生

    個人再生は、裁判所を介して行う手続きで、借金を最大5分の1まで減らせる債務整理の方法です。

    また、個人再生では「住宅ローン特則」という特別のルールがあり、住宅ローンについてはこれまで通りに返済を継続し、その他の借金については減額を認めてもらうことができます。
    つまり、マイホームを失うことなく借金を大幅に減額できるということです。

    マイホームは手放したくないけれど、借金の完済は難しいという場合には、個人再生によって借金を減額してもらうのが良いでしょう。

  3. (3)自己破産

    自己破産は、裁判所を介してすべての借金を帳消しにする方法です。

    自己破産を選択した場合、マイホームや自動車といったあなたの財産はすべて売却して債権者に分配しなくてはなりませんが、借金の減額効果はもっとも高い方法といえます。

    とても返せないような大きな金額の借金を負っている人の場合、自己破産によっていったんすべての借金を帳消しにして、人生を再スタートのもひとつの選択肢といえるでしょう。

6、まとめ

今回は、借金の踏み倒しについて法律上の扱いを説明しました。本文でも見たように、借金の踏み倒しができるケースとしては次の2つがあげられます。

  • 時効の中断をされずに一定期間がたった場合
  • 利息制限法以上の金利でお金を借りていた場合

これ以外の場合だと、債権者はあなたに対して裁判を起こしたり、時効を中断したりといったアクションを起こしてきますから、借金の踏み倒しは非常に困難といえます。

また借金の時効を成立させる目的で、債権者からの連絡を意図的に無視し続けるなどの方法をとっていると、債権者に法的な手段を取られて財産や給料の差し押さえをされてしまう可能性があります。

今の収入で借金の返済をしていくのは難しいと考えているなら、借金の踏み倒しではなく、債務整理を行うことを検討してみましょう。

債務整理をすれば、合法的に苦しい借金生活から抜け出すことが可能です。借金問題にお悩みの方は、ぜひ弁護士事務所が行っている無料相談を活用してみてください。

借金解決のためにあなたが選択できる最適な方法を教えてもらうことができますよ。

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