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キャッシングの審査に通らない4つの原因|もう借りられないときの正しい対処方法

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更新日:2023年11月08日 公開日:2019年09月24日

キャッシングの審査に通らない4つの原因|もう借りられないときの正しい対処方法

友人にパーティーに誘われたけど手元にお金がない……。今度の休みにデートが決まったのに給料日までまだ何日もある……。そんな現金を必要とするとき、キャッシングはとても便利です。

しかし、キャッシングは、いつでも誰でもできるものではありません。キャッシングの申し込みの際には、必ず審査があるからです。

この記事を読んでいる人の中には、「数日以内にどうしてもお金が必要でキャッシングを申し込んだら審査で落ちてしまった」という人や、「これからキャッシングしたいのだけど、審査に通るか心配」という人も多いのではないかと思います。

そこで、この記事では、

●キャッシング審査の基本的な仕組み
●キャッシング審査に落ちてしまう理由
●キャッシング審査に通らないときにやってはいけない対応

について解説します。

消費者金融などのCMでは必ず「ご利用は計画的に!」などという注意勧告が表示されます。キャッシングはいざというときにはとても便利ですが、誤って利用すると大変な事態に陥ってしまいます。無理な利用は厳禁です。

キャッシングの審査に通らなかった(通るか心配)というときには、特に慎重に対応しましょう。

1、キャッシング審査の仕組み

まずは、キャッシング審査の仕組みについて簡単に確認しておきましょう。

金融機関は、顧客にお金を貸すときには、顧客の返済能力などを調査することを法律などで義務づけられています。わたしたちが「金融機関の審査」と呼んでいるのは、この義務に基づく、収入その他の資力、信用、借り入れの状況の調査のことをいいます。

「審査なし」でキャッシングが可能という金融機関は、正規の登録業者には存在しませんので注意してください。

  1. (1)審査の第一段階は「属性」の評価

    キャッシングの審査でもっとも重要なのは「属性評価」です。「属性」とは、簡単にいえば、キャッシングの申し込みをした人の返済能力を裏付ける基本的な情報(職業など)のことをいいます。

    申込者の属性情報は、点数化された上で審査基準となるため、属性審査のことを「スコアリング」と呼ぶことがあります。

    下に掲げるような、キャッシングの申し込みの際に金融機関に申告する情報が、属性評価(スコアリング)の対象となります

    属性情報の例 スコアリングの基準
    職業 勤務先倒産の可能性の低い職種・勤務先や離職率の低い職種ほど点数が高くなります(公務員などは高く、フリーターは低い)
    年収 高額なほど点数が高くなります
    勤続年数 勤続年数が長いほど高くなります
    年齢 カード会社などでは若い方が点数は高くなります
    家族構成 配偶者・家族との同居の有無で点数が異なります
    持ち家の有無 ローン完済済みの持ち家有りがもっとも高くなります
    居住年数 居住年数が長いほど点数が高くなります
    健康保険の種類 国民健康保険はもっとも低くなります
    銀行口座の種類 銀行では、申込先銀行に当座口座保有しているのがもっとも高くなります。預金額(定期預金の有無)などもスコアリングの対象となります
    クレジットカードの有無 カード有りの方が点数は高くなります
    他社借入の件数と金額 借入件数・借入額が多すぎると審査落ちとなります
  2. (2)これまでの信用取引の状況の確認(クレジットヒストリー)

    スコアリングをパスすると、「これまでの信用取引の実績(クレジットヒストリー)」の審査にうつります。

    ①クレジットヒストリーの審査で今までに支払遅延がないかをチェック
    クレジットヒストリーは、信用情報機関(CIC、JICC、KSC)のデータベースに登録され、信用情報機関相互の情報共有システム(CRIN・FINE)で共有されています。

    日本の金融機関のほとんどすべては、3つの信用情報機関(CIC(カード会社系)、JICC(消費者金融系)、KSC(銀行系))のいずれか(もしくは複数)に加盟していて、キャッシングの申し込みを受けたときは、ここのデータベースで申込者の信用情報を調査します。

    問題のあるクレジットヒストリーの典型としては、「遅延が多いこと」です。

    しかし意外にも、逆に「収入があるにもかかわらず信用取引が全くない(ホワイトやスーパーホワイトなどと呼ぶことがあります)」場合にも問題視されます。「取引記録が真っ白」なのが問題視されるのは、いまの時代では、一定の収入があれば最低限の信用取引(カード利用)をしていることの方が一般的だからです。つまり、「取引記録がないということは、過去に信用事故を起こしている」と推測されかねない、ということです。

    ②遅延のない取引が長期続いていれば高評価
    これとは逆に、問題のない(きちんと支払えている)取引が長期間続いていることは、積極的な評価になります。

  3. (3)異動情報の確認

    また、債務整理や強制解約・長期滞納(61日または3ヶ月以上)といった事情は、「異動情報」とよばれ、信用事故の取り扱いとなりクレジットヒストリーとは別の記録として登録されます。

    よく「ブラックリスト入りする」といわれるのは、この異動情報が登録されることをいいます。異動情報は、登録から5年は消去されません(KSCでは一部の情報を10年保存としています)。

    ところで、中小の消費者金融には、「ブラックでも融資可能」というところも少なくありません。中小の貸金業者は、顧客を確保するために、大手消費者金融や銀行では審査に通らない人を対象に融資を行うことがあるからです。

    しかし、その場合でも(1)で解説したスコアリングは必ず行われます。「ブラックでもOK=審査なし」というわけではないのです。中小の消費者金融でも「返済能力がない」人はキャッシングすることはできません(ヤミ金であっても全く収入のアテのない人にお金を貸すことはありません)。

  4. (4)在籍確認と審査担当者の最終決済

    金融機関による「在籍確認」は、スコアリング・クレヒス・異動情報のチェックをパスした申込者に対してのみ行われます。

    「在籍確認」は、金融機関が申込時に申告した勤務先に電話する方法で行われるのが一般的です。わざわざ電話をするのは、「提出書類を偽造する、仮想する」ケースが実際にないわけではないからです。

    とはいえ、最近では、在籍確認を嫌う顧客が増えているため、「電話による在籍確認をしない」という消費者金融も増えています。
    しかし、勤務先への在籍有無の確認を全くしない貸金業者はありません。電話をしない場合であっても、在籍の有無を正確に判断できる書類の提出を求めるなどの方法で、「勤務先に確かに在籍している」ことは必ず調査・確認されます。

    在籍確認を通過すると、審査担当者による最終判断(決済)となります。
    一般的には、在籍確認を通過した場合のほとんどは、融資実行となりますが、場合によっては、「担当者の直感(経験則)」などに基づいて、再調査・審査落ちの判断となる場合もないわけではないようです。

2、キャッシング・カードローンの審査に通らない5つの理由

キャッシングやカードローンの審査に落ちてしまう原因としては、主として次の5つを挙げることができます。

  • 属性評価が低すぎる場合
  • 収入に対して多額の借金がすでにある場合
  • 借入件数が多すぎる場合
  • クレジットカードの支払いなどに遅延・滞納がある場合
  • 短期間で複数のローン(カード)を申し込んだとき


  1. (1)属性評価が低すぎる

    申込書などで申告された属性情報の評価が低すぎるときには、審査に落ちてしまいます。

    たとえば、フリーター(国民健康保険)、年収180万円、40代、賃貸暮らし、単身者といった人の場合には、キャッシング・カードローンの審査に通ることは難しい場合が多いでしょう。

    属性評価が低いということは、基本的な「返済能力が不足している」からです。
    カードなどの支払いに滞納もなく、他社借入もないのに審査落ちしたケースの多くは、属性評価の低さが原因となっている場合がほとんどでしょう。

  2. (2)年収の1/3以上の借金を申し込んだ場合

    職業・年収などの属性に問題がなくても、すでに他社からの多額の借り入れがあるときには、キャッシングなどの審査に落ちることがあります。

    特に、すでに抱えている借金との合計が「年収の1/3を超える」申し込みとなった場合には、審査落ちとなる可能性がかなり高くなります。貸金業法が年収の1/3を超える貸し付けを行うことを禁止しているからです(総量規制)。

    たとえば、年収450万円の人が、すでに120万円の借金を抱えているときに、さらに50万円を限度額とする借金の申し込みをしたときには、審査落ちの可能性が高いといえます。借金(限度額含む)の合計が170万円となり、年収の1/3である150万円を超えてしまうからです。

    理屈の上では、限度額を30万円に減らして融資を実行することは可能です。とはいえ、将来的には収入が変動することも予想されるので、年収1/3ギリギリまで融資するケースは(属性評価が高い場合を除けば)珍しいと考えておいた方がよいでしょう。

    なお、総量規制が適用されるのは、貸金業者(消費者金融・信販会社)のみです。貸金業法の適用を受けない銀行には、貸金業法のルールである総量規制は適用されないのです。しかし、「銀行カードローンの過剰貸付」が社会的な問題となっていることをうけ、自主規制をはじめる銀行も増えています。

  3. (3)すでに多くのカードローンやキャッシングを利用している場合

    総量規制の枠の範囲内の申し込みであっても、すでに借入件数が複数あるときには、審査落ちすることがあります。複数の金融機関から(無担保の)借金をすることは、一般的にも好ましい状況ではないからです。

    大手に比べて審査が甘いといわれている中小の消費者金融であっても、借入額にかかわらず「4件以上の借り入れがある人は審査対象外」としているところが少なくありません。

    なお、借入件数は信用情報を照会すれば確認することができるので、申し込みの際に過少申告しても意味がありません。むしろ、虚偽申告を理由に審査落ちとなる可能性の方が高いでしょう。

  4. (4)クレジットカードなどの支払いを滞納している場合

    他社と信用取引(カードやキャッシング利用)があることは、キャッシングの審査では常にマイナス評価となるわけではありません。他社と信用取引できることは、「他社の審査に通った」ことの証拠にもなるからです。

    むしろ、現代社会では一定程度の信用取引をしていることは珍しいことではなく、きちんとした信用取引を長期間継続できている(毎月の支払いを何年もきちんと行っている)ことは、キャッシングの審査においてプラス評価となる場合もあります。

    しかし、毎月の返済に滞納があれば話は別です。短期間の遅延であっても頻度の多い人は、キャッシングの審査に通らない可能性が高くなります。

    また、長期間の延滞は、債務整理をした場合と同様に「信用事故」として取り扱われます。最近では、「過去の債務整理は、現在収入があれば問題にしないが、滞納歴がある人は審査落ち」という対応の金融機関も増えています。「ブラックでも融資可能」という貸金業者でもすべてのブラック情報がOKというわけではないことに注意しましょう。

  5. (5)短期間で複数のローンを申し込んだとき

    たとえば1ヶ月以内に複数のキャッシングを申し込むということは、「家計状況がかなり苦しい」、「無計画にお金を使う人である」ことを推測される事情といえます。

    したがって、短期間のうちに何社もキャッシングなどの申し込みをしたときには、審査落ちになる可能性が高くなります。キャッシングやカードローンなどの申し込み状況は、契約後の取引状況と同様に、信用情報に登録されているので、虚偽の申告をしても意味がありません。

    また、キャッシング・ローンの「審査に落ちたこと」も信用情報に登録されます。これを「申し込みブラック」と呼ぶことがあります。

    申し込みブラックの登録期間は6ヶ月なので、審査落ちになってしまったときには、最低でも6ヶ月以上の期間を空けてから再度の申し込みをするようにしましょう。

3、キャッシング・カードローンの審査に通らないときにやってはいけない3つのこと

キャッシングやカードローンの申し込みを考えるときには、「早くお金が必要」、「どうしてもお金が必要」という場合が多いでしょう。そのため、「どうしてもお金を借りたい」からと、不適切な対応をしてしまう人がいないわけではないようです。

また、審査落ちしてしまったときにも、「お金がないのは困る」からと、危険な対応をしてしまう人もよく見かけます。

  1. (1)「氏名や年収を偽って」申し込んでもすぐにバレる

    キャッシングなどを申し込むときに「少しでも審査を有利にしたい」ということで、年収や借入件数、利用目的などを虚偽申告する人もいるようです。
    たしかに、借金を取り扱った映画・マンガなどでは、氏名や生年月日などを偽って借金の申し込みをするシーンが描かれることがあります。

    しかし、氏名・生年月日を偽って借金を申し込むことは、「すぐにバレてしまう」だけでなく、犯罪に問われる可能性の高い行為なので、絶対にすべきではありません。

    また、年収や借入件数・借入額を偽って申し込むことも、すぐにバレてしまうので無意味といえます。

  2. (2)クレジットカードで買った商品を換金するのは契約違反

    「クレジットカードの現金化」とは、クレジットカードで買った商品をすぐに換金して現金を手に入れる方法です。「ショッピング枠の現金化」とよばれることもあります。

    商品券や新幹線回数券は、換金率が高く、売却することも比較的簡単(チケットショップに持ち込むだけ)です。マンガや映画などでもそのようなシーンが描かれることも珍しくありません。

    しかし、「クレジットカードの現金化」は、カード契約では明確に禁止されている行為です。クレジットカードの現金化は、カード会社の権利を侵害する背信的な行為だからです。また、自己破産した際の免責不許可事由にも該当します。

    カード会社にクレジットカードの現金化を知られてしまうと、カードは強制解約となり、利用残額を一括請求されてしまう可能性があります。お金が足りない状況で一括請求されれば、資金繰りはさらに苦しくなってしまいます。

    さらに、カードの強制解約は、ブラック情報(異動情報)として信用情報にも登録されるので、しばらくは他社からの借り入れやカード申し込みもできなくなってしまいます。

  3. (3)ヤミ金から借金すれば人生が台無しになることも

    正規の金融機関から借金できないときには「ヤミ金」の利用を考える人もいるかもしれません。ヤミ金であれば、銀行や消費者金融・カード会社の審査に通らない人であっても、借金させてくれる可能性があるからです。

    また、ネットの普及に伴いヤミ金へのアクセスが容易になったことから、「即日融資」、「すぐ貸します」といった言葉につられて、「すぐに返せるから大丈夫だろう」と甘い気持ちで利用してしまう人も増えているようです。

    しかし、ヤミ金だけは絶対に利用すべきではありません。そもそもヤミ金は「お金を返させてくれない」からです。

    「お金を返さないとヤミ金も困るのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、ヤミ金は、「わずかな貸し付けで暴利をむさぼり取る」ことが目的です。わかりやすくいえば、1万円だけかして、「10万円の利息」を支払わせるのが、ヤミ金の手口です。

    したがって、貸したお金(元金)を返されたら商売にならないのです。

    ヤミ金は、利息の支払いに耐えられなくなった顧客に「銀行口座や携帯・スマホの譲渡」、「詐欺の出し子(振込詐欺などで振り込まれたお金を引き出す係)」といった犯罪行為への加担を強要することも少なくありません。
    最悪のケースでは、ヤミ金を利用したことで自分が犯罪者になってしまう可能性もあるのです。

    また、ヤミ金に譲渡した銀行口座が犯罪に利用されたときには、その口座名義人の口座は、銀行・支店を問わずすべて凍結されてしまうこともあります。この場合も、最悪は、罪に問われるだけでなく、「銀行口座を一生持てなくなる」可能性があります。

    軽い気持ち、甘い見通しでヤミ金とかかわると、今後の人生に大きな不都合が生じる可能性があります。ヤミ金とは絶対にかかわらないようにしましょう。

4、返せなくなった借金があるときには債務整理で解決

キャッシングをしたかった目的が、借金の返済である場合はちょっと待ってください。 「借金をして返済に充てる」自転車操業は控えるべきといえます。自転車操業をすれば、さらに借金の負担は重くなるからです。

すぐにキャッシングしなければならない理由が「借金返済」であるときには、「債務整理」で解決することを検討すべき場合が多いでしょう。 返済が苦しくなった借金を根本的に解決できるのは債務整理だけだからです。

5、借金の悩み事は弁護士にご相談ください

借金の問題は、早めに対処することがとても大切です。借金が膨らみきる前であれば、任意整理によって、リスクもコストも最低限にして解決できる可能性が残されているからです。

キャッシングの審査に落ちるかもしれないという状況で、さらに借金を増やせば、状況も当然悪化します。借金してでもお金を作らないと返済ができないというときには、できるだけ早い時期に弁護士に相談することを強くおすすめします。

債務整理の相談は、無料で受けられることが多いので、「お金がない」と心配する必要もありません。

6、まとめ

キャッシングの審査は、申込者の返済能力を把握するために行われます。キャッシングの審査に通らないということは、「これ以上借金を増やせば危険になる」ということでもあります。

また、キャッシングの審査に通るか不安というときも、家計が破綻しかけている場合が多いでしょう。家計のやりくりに行き詰まってしまったときには、できるだけ早く弁護士に相談し、問題を正しく解決しましょう。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国74拠点、約360名の弁護士が在籍
※2024年2月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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