債務整理 弁護士コラム
借金をした当初は順調に返せると思っていても、実際には返済が思うように進まず借入を重ね、いつしか多重債務者となってしまう方が数多くいらっしゃいます。
いったん多重債務に陥ると、自力で抜け出すことは難しいのが実情です。返済が追いつかなくなると、最終的には財産の差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、多重債務とはどのような状態のことをいうのか、その状態を放置すると、どのようなリスクが生じるのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
多重債務という言葉を聞いたことがある方は多いことでしょう。まずは、多重債務の意味や多重債務に陥る原因などを解説します。
多重債務とは、複数の金融機関や貸金業者などから借金をしていて、その返済が困難となっているか、生活が困窮している状態のことをいいます。
住宅ローンと自動車ローンのように、複数の借金を抱えていても順調に返済ができているのであれば、差し迫った問題はありません。しかし、借入件数が多ければ多いほど、多重債務に陥る危険性が高いことに注意する必要があります。
株式会社日本信用情報機構が公表する資料では、多重債務者の人数は平成19年をピークとして減少傾向が続いていましたが、平成28年以降はほぼ横ばいが続いています。令和4年3月末時点で、3社以上から借入をしている人は全国に約116万人いるとのことです。
参考:金融庁・消費者庁・厚生労働省(自殺対策推進室)・法務省|多重債務者対策をめぐる現状及び施策の動向
同資料によれば、多重債務者が借金をしたきっかけとして、以下のようなものが多いとされています。
やむを得ない事情で借金を重ねたケースもあるはずですが、以上のような事情を抱えた人のすべてが多重債務に陥っているわけではありません。
利息の負担や支払い能力を十分に考慮せず、カードローンやキャッシング、クレジットカードによるショッピングを安易に利用することも、多重債務の大きな原因ではないかと考えられます。
多重債務に陥ってしまったら、これ以上は借金を増やさないことを第一に考えるべきです。そのためには、浪費やギャンブルはもちろんのこと、返済のために他社から借入れることや、リボ払いで借金することも控えるべきです。
また、以下の行為をすると法外な利息や手数料を要求される上に、悪質な取り立てや嫌がらせを受けて深刻なトラブルに巻き込まれるおそれがあるので、やってはいけません。
多重債務者は、いくつかのリスクに注意する必要があります。多重債務の状態が長く続けば続くほどリスクが増大するため、なるべく早期に多重債務の解消を図ることが重要です。
借入件数が増えると、借金額も増えがちです。たとえば、借入先が1社なら50万円までしか借りられないとしても、もう1社と契約すると合計で100万円まで借りられるようになるでしょう。
また、それぞれの借入について利息もかかります。元金が増えれば利息も増大するので、借入を重ねれば重ねるほど、元金と利息の両方が増大し、借金が膨れ上がる可能性が高まるのです。
借入を重ねていくと、やがて総量規制の影響などで、どこからも借りられなくなります。返済できなくなり、滞納が2~3か月続くとブラックリストに登録されます。
正確にいうと、信用情報機関に事故情報が登録され、その影響で、新たな借入やローンクレジットカードなどの利用が難しくなってしまうのです。
借金を滞納してしまうと、債権者から電話や督促状の送付により返済を催促されます。それでも滞納を続けていると、裁判所から自宅に特別送達で裁判書類が届くこともあります。
多重債務の場合には、複数の債権者から裁判外の催促や裁判上の請求が行われるため、家族に借金がバレるリスクが増大することに注意が必要です。
裁判を起こされても、分割払いの和解をすることは可能です。しかし、多重債務を抱えていると、1社と和解すれば他社に払えず、なす術がないということになりがちです。
その結果、裁判を放置すると債権者の請求がそのまま認められ、強制執行の手続きに進むことになります。ここまでくると、ある日突然、給料や預貯金などの財産を差し押さえられるおそれがあります。
自力で多重債務から抜け出せない場合には、債務整理を検討する必要があります。債務整理には主に3種類あり、状況に合った手続きを選択することで、多重債務を解消することが可能です。
任意整理は、債権者と個別に交渉することで借金を減額できる手続きです。基本的には将来利息が免除され、残元金を3~5年で分割返済することになります。
他の債務整理と比べると借金の減額幅が小さいため、借金総額が比較的少なく、かつ、継続的に返済できる安定収入がある人に向いている手続きです。
個人再生は、裁判所の手続きを利用して借金を大幅に減額できる手続きです。原則的に借金総額の5分の1~10分の1にまで減額され、その金額を3~5年で分割返済します。
自己破産のように、財産の処分や免責が許可されないケースがあるなどのデメリットがないため、多額の借金を抱えていても自己破産は避けたいという人に向いています。一定の条件を満たせば、マイホームを維持することも可能です。
自己破産は、裁判所の手続きを利用して借金の返済義務を全額免除してもらうことが可能な手続きです。
大きなメリットが得られる反面で、デメリットも債務整理の中でもっとも大きいことに注意が必要です。その意味で、自己破産は最終手段ともいえます。
多重債務者がひとりで悩んでいても、時間の経過とともに借金問題はさらに悪化していく可能性が極めて高いものです。ここでは、無料で利用できる相談窓口と、その中でもベストな相談先をご紹介します。
借金問題の悩みを無料で相談できる窓口は、意外に多くあります。主な窓口として、以下のところが挙げられます。
弁護士会と法律事務所での相談は、原則的には有料ですが、無料相談が行われることもあります。事前に確認が必要です。
どの相談窓口でも、借金問題への一般的な対処法についてアドバイスが受けられます。「とりあえず相談してみたい」という場合は、最寄りの窓口を利用するとよいでしょう。
ただし、借金を減免して多重債務を解消するためには、弁護士に相談する必要があります。その点、自治体や法テラス、弁護士会では、弁護士に相談はできるものの、担当弁護士を選べません。普段は借金問題をほとんど取り扱っていない弁護士が担当となることもあります。その場合には、必ずしも最適なアドバイスが得られるとは限らないことに注意が必要です。
多重債務を解消するためには、借金問題の解決実績を豊富に有し、かつ、無料相談を実施している法律事務所で弁護士に相談することがベストです。最適な解決方法を見出すためには、豊富な専門知識や経験が要求されるからです。
債務整理を依頼すれば弁護士がすべての手続きを代行しますが、どんな弁護士に依頼しても同じ結果が得られるとは限りません。弁護士の知識や経験、熱意などの程度により、結果が異なることもあります。信頼できる弁護士を選んでこそ、納得のいく結果が期待できるのです。
借金問題に注力している法律事務所は、インターネットで探すことができます。
その中から無料相談を受け付けている事務所をいくつかピックアップし、実際に無料相談を利用してみましょう。そして、もっとも信頼できると考えられる弁護士を選ぶことをおすすめします。
多重債務から自力で抜け出すためには、並大抵ではない努力が要求されます。
実際には、なかなか難しいのが実情です。複数の業者から借入をしていて借金が増える一方であったり、返済が苦しくなってきたりしたときは、早めに債務整理も視野に入れて弁護士に相談した方がよいでしょう。
ベリーベスト法律事務所では、多重債務の程度や状況に応じて、経験豊富な弁護士が最適な解決方法をご提案いたします。債務整理に関するご相談は何度でも無料で、お問い合わせは24時間受け付けております。お困りの際は、お気軽にご連絡ください。
※なお、営業時間外は事務局が対応し、相談予約のみとなる場合があります。
ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。
『旦那や家族には言っていないけど、実は私、借金を抱えてます…』
実は、主婦で借金を抱えている人は多く、それを言えずに悩んでいる方もたくさんいるのが現状です。もしかしたらこの記事をご覧のあなたも、そういった悩みをお持ちなのかもしれません。
一人で悩むことなく、主婦で借金をしている人は意外と多いということを知っていただいて、ぜひご自身の借金返済について前向きに考えていってください。この記事があなたにとって、ご参考になれば幸いです。
これから債務整理をしようと考えている方の中には、債務整理後にキャッシングできるのか、債務整理中にお金が足りなくなったときキャッシングを利用することは認められるのかと、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどを法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
親子であっても、他人の借金を返済する義務は原則としてありません。肩代わりするかどうかは、基本的に子ども自身の判断で自由に決められます。
しかし親の借金でも子どもに返済義務が生じることがあり、借金を放置すると子どもが差し押さえを受けることにもなりかねません。
本コラムでは、親の借金が降りかかってきた場合に、子どもはどのように対処すればよいのかについて、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。