債務整理 弁護士コラム
連帯保証人が主債務者(=借りたお金を返す義務のある人)に代わって、債権者(=貸したお金を返してもらう義務のある人)に対して弁済をした場合、連帯保証人は、主債務者に対して肩代わりした分を請求することができます。このような権利を「求償権」といいます。
求償権は、法律上の権利ですので、求償権の行使を拒否することはできません。そのため、連帯保証人から求償権を行使されたときは、すぐに適切な対応をすることが大切です。求償権を行使されたにもかかわらず、無視や放置をしていると、強制執行を申し立てられ財産を差し押さえられるリスクがありますので注意が必要です。
今回は、求償権の概要と連帯保証人から求償権を行使された場合の適切な対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
連帯保証人の求償権とは、どのような権利なのでしょうか。以下では、連帯保証人と求償権の概要、連帯保証人から求償権を行使されるケースなどについて説明します。
連帯保証人とは、債務者が債務の履行ができない場合に、債務者の代わりに返済する義務を負う人をいいます。
連帯保証人と同じく、債務者に代わって債務の弁済義務を負う人としては「保証人」がいますが、連帯保証人は、催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益がないため、保証人よりも重い責任を負っています。
求償権とは、借金を代わりに返済した連帯保証人が、肩代わりした分を債務者に対して請求する権利です。
たとえば、以下のような場合に求償権が行使できます。
連帯保証人が借金の返済をしてくれた場合、債権者への借金の返済は不要になりますが、今度は、求償権を行使した連帯保証人に対して返済をしていかなければなりません。
ただし、求償権には、時効がありますので、令和2年4月1日以降に発生した求償権であれば原則5年で時効になります。
連帯保証人による求償権の行使を無視しているとどうなるのでしょうか。以下では、求償権の行使を無視した場合に生じるリスクについて説明します。
連帯保証人による求償権の行使を無視していると、連帯保証人は、話し合いでの解決は困難であると考えて、裁判所に訴訟を提起することになります。
連帯保証人が訴訟を提起すると、裁判所から訴訟関係書類一式が届きますので、その時点で訴訟を提起されたことがわかります。訴訟を提起された場合、指定された口頭弁論期日までに答弁書を提出して、裁判所に出頭する必要がありますが、それも無視した場合、原告である連帯保証人の請求をすべて認めたものとして、原告に有利な判決が下されます。
判決内容に不服がある場合には、判決書の送達を受けた日の翌日から2週間以内に控訴することができますが、それも無視した場合、控訴期限経過により判決が確定します。
判決確定後も求償権の行使に応じない状態が続くと、連帯保証人から強制執行の申し立てをされてしまいます。
強制執行が申し立てられると、債務者の預貯金や給料などの財産が差し押さえられてしまい、連帯保証人はそこから強制的に肩代わり分の弁済を受けることができます。
預貯金を差し押さえられてしまうと、生活に必要なお金を引き出すことができなくなりますので、経済的に困窮するリスクがあります。また、給料を差し押さえられてしまうと会社に求償権の行使を無視していることがバレてしまうなどのリスクがあります。
このように連帯保証人による求償権の行使を無視しても事態は好転しませんので、求償権の行使を受けた場合は、すぐに適切な対応をとることが大切です。
連帯保証人から求償権を行使された場合、どのように対処すればよいのでしょうか。以下では、求償権を行使された場合の対処法について説明します。
求償権は、法律上の権利ですので、求償権を有する連帯保証人から支払いを求められた場合には、基本的には支払いに応じなければなりません。
そのため、連帯保証人から求償権を行使された場合、まずは連帯保証人と話し合いをして今後の支払い方法を決めていくようにしましょう。一括での返済が難しい場合には、分割払いや返済猶予を求めることも有効な手段となります。分割払いや返済猶予に応じてもらうには、連帯保証人の同意が必要になりますので、一括返済が難しいという事情や根拠を示しながら説明し、誠実に交渉を行うことが大切です。
連帯保証人との交渉の結果、返済方法についての合意に至った場合、口頭での合意だけで終わらせるのではなく、必ず合意書を作成するようにしてください。口約束だけでは、後でトラブルになるリスクがありますので、返済方法や条件などを明確にした合意書を作成することが重要です。
分割払いや支払い猶予の方法によっても返済が難しいという場合には債務整理を検討します。債務整理とは、借金の返済が困難な状況になった場合に、借金返済の負担を軽減または免除することで、借金問題を解決することができる方法です。
債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生の3種類があります。
連帯保証人から求償権を行使されてお困りの方は、弁護士に相談することをおすすめします。
連帯保証人から求償権を行使された場合、まずは連帯保証人との交渉が必要になります。
しかし、交渉に不慣れな方だと、対応方法がわからず自分に有利な条件を引き出すことはなかなか難しいでしょう。
弁護士は交渉のポイントを熟知していますので、具体的な状況を踏まえて最適な条件で合意の成立を目指します。連帯保証人からの訴訟や強制執行を回避するには、早期に交渉を開始することが重要ですので、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
求償権を行使するのが保証会社などの事業者であれば、弁護士が介入することで連帯保証人からの督促を一時的に止めることができます。
また、連帯保証人が個人の場合には、督促を止めることを強制できませんが、弁護士が窓口になって対応しますので、事実上、直接の督促を控えてもらえる可能性が高くなります。
求償権の行使に応じることができないときは、債務整理を検討することになります。
しかし、債務整理には、任意整理、自己破産、個人再生の3つがあり、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがありますので、具体的な状況に応じて選択すべき方法は異なります。
弁護士に相談すれば、債務者の具体的な状況を踏まえて最適な方法を提案してもらうことができます。
債務整理の手続きを行うことになった場合には、弁護士が債務者の代理人として債権者との交渉、裁判所への申し立て、裁判所との対応などを行うことができます。
債務整理を成功させるためには、専門家である弁護士のサポートが不可欠です。そのため、債務整理をお考えの方は、ひとりで悩むのではなくまずは弁護士に相談するようにしましょう。
連帯保証人が債務者の代わりに債権者へ返済すると、肩代わりした分について求償権を行使される可能性があります。
連帯保証人からの求償権の行使を無視していると、財産の差し押さえなどのリスクが生じるため、適切な対応が必要になりますが、支払いが難しいという場合は債務整理を検討する必要があります。
3つの債務整理の方法から、ご自身の状況に応じた最適な方法を選択するには、専門家である弁護士のサポートが必要になりますので、まずはベリーベスト法律事務所までご相談ください。
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これから債務整理をしようと考えている方の中には、「債務整理後にキャッシングできるのか」「債務整理中にお金が足りなくなったとき、キャッシングを利用することは認められるのか」と、お悩みの方もいるでしょう。
結論から言うと、債務整理をしたことで、キャッシングなどの借入を法律で禁止されるわけではありません。
しかし、債務整理をすると、信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト入りする)ので、ほとんどの金融機関は、融資に応じてくれなくなります。
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求償権は、法律上の権利ですので、求償権の行使を拒否することはできません。そのため、連帯保証人から求償権を行使されたときは、すぐに適切な対応をすることが大切です。求償権を行使されたにもかかわらず、無視や放置をしていると、強制執行を申し立てられ財産を差し押さえられるリスクがありますので注意が必要です。
今回は、求償権の概要と連帯保証人から求償権を行使された場合の適切な対処法について、ベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。
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