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任意整理後の生活はどうなる? 気になる影響と心がけるべきこと

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更新日:2022年02月15日 公開日:2022年02月15日

任意整理後の生活はどうなる? 気になる影響と心がけるべきこと

借金の返済が苦しくなって任意整理を検討しているものの、任意整理後の生活がどのようになるのかが気になる方も多いのではないでしょうか。

任意整理後も、おおむね今までどおりの生活をすることができますが、注意すべき点もいくつかあります。何よりも、和解した内容のとおりに返済することを怠ってはいけません。

この記事では、任意整理後の生活が具体的にどのように変わるのかを解説します。

1、任意整理後の生活

任意整理をすると、その後の生活が以下のように一部変化することがあります。ほとんど気にならない方もいれば、非常に困るという方もいるはずです。困る点については、任意整理前に対策を考えておくことが大切です。

  1. (1)財産を手放す必要はない

    任意整理では、自己破産とは異なり、手続き上で財産を手放す必要はありません。家や自動車などを残すこともできますし、生命保険などを解約する必要もありません。

    ただし、クレジットカードで購入した商品などは所有権をカード会社が有していることがあります。そのカード会社と任意整理をした場合には、商品を引き揚げられる可能性があります。

  2. (2)クレジットカードは利用できる?

    任意整理後は、クレジットカードは利用できなくなります。任意整理に着手したときから、新しいカードの作成はできなくなります。手持ちのカードは、当面は使えることもありますが、おおむね半年以内には使えなくなる可能性が高いです。

    これは、任意整理をすることで信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)が登録されるのが原因です。カード会社は申込者や顧客の信用情報を必ず確認するので、事故情報が登録されていると「支払い能力なし」と判断され、審査で落とされてしまうのです。

    しかし、任意整理による事故情報は完済から5年が経過すると削除されます。その後は、再びクレジットカードの作成が可能になります。

  3. (3)住宅ローンへの影響は?

    任意整理前に住宅ローンを組んでいる場合、その債権者に対して任意整理を申し出ると、抵当権を実行されて家が競売にかけられてしまいます。したがって、住宅ローンを抱えている場合には、他の無担保の借金のみを任意整理するか、個人再生で住宅ローン特則の利用を検討するのが一般的です。

    任意整理後は、完済から5年が経過するまで住宅ローンを組むことはまずできません。事故情報が消えた後は住宅ローンを組めるようになりますが、すぐには審査に通らないことも少なくありません。

    住宅ローンの審査では、信用情報の他にも年収や勤務先、勤続年数、家族構成なども重視されます。これらの属性をよくしておくことで、審査を通過できる可能性を高めることもできます。

  4. (4)自動車ローンへの影響は?

    信販会社の自動車ローンの場合は、任意整理の対象にすると債権者が「所有権留保」という担保権を実行して車を引き揚げてしまいます。一方、銀行の自動車ローンは所有権留保がついていないので、任意整理の対象にしても車を引き揚げられることはありません。ディーラーで紹介される自動車ローンは、ほとんどが信販会社のものなので注意しましょう。

    自動車ローンも、任意整理後に完済してから5年は新たに組むことができません。ただ、住宅ローンよりは早期に審査に通りやすい傾向があります。

  5. (5)保険(生命保険等)に加入できる?

    任意整理後も保険には加入できます。

    • 生命保険
    • 医療保険
    • 学資保険
    • 損害保険


    その他にも保険の種類を問わず、自由に加入することが可能です。積立型でも掛け捨て型でも同様です。任意整理したために条件が悪くなるということもありません。保険は借金とは異なるので、信用情報とは関係がないからです。

    また、契約者貸付も利用できます。契約者貸付は既に払った掛け金が担保となるので、やはり信用情報と関係がないからです。

  6. (6)仕事に影響はでるか?

    任意整理では、基本的に仕事への影響は全くありません。自己破産をした場合は、手続き中は一部の資格や職業が制限されますが、任意整理の場合はそのような制限がないからです。

    営業職の方などは、接待などの場面でクレジットカード決済ができないと思われるかもしれませんが、ほとんどの場合はデビットカードで代用できます。

  7. (7)奨学金や教育ローンは借りられる?

    奨学金や教育ローンも借金なので、基本的には任意整理後に借りることはできません。

    ただし、日本学生支援機構では、奨学金を借りる本人の信用情報は審査されないため、借りることができます。連帯保証人および保証人の信用情報は審査されるので、親が任意整理をしている場合には子どもの奨学金の連帯保証人になることができません。その場合は、任意整理をしていない方の親を連帯保証人にするか、機関保証制度を選択することで奨学金を借りることが可能です。

    教育ローンは、基本的に親が借りるものです。親が任意整理をした場合は、完済から5年は教育ローンを借りることはできません。

2、任意整理後の借金の返済

任意整理をすると返済の負担が軽減されるものの、一般的に3年~5年にわたって返済を続けなければなりません。もし返済が滞ると、一定のリスクを負うことになります。

  1. (1)返済の負担が軽減される

    任意整理をすると、将来利息がカットされます。その分だけ、今後の返済額が軽減されます。
    実際にどれくらい返済の負担が軽減されるのか、以下の例でシミュレーションしてみましょう。

    • 借金総額200万円
    • 消費者金融5社から借り入れ
    • 金利は各社とも年18%
    • 返済期間は5年(60回払い)


    このケースで任意整理をして、将来利息を全部カット、返済期間5年(60回払い)で和解したとします。

    任意整理しない場合 任意整理した場合
    金利 18% 0%
    返済総額 304万7190円 200万円
    利息の総額 104万7190円 0円
    毎月の返済額 5万0786円 3万3333円

    返済総額で100万円以上、毎月の返済額でも2万円近く、返済の負担が軽くなります。消費者金融からの借金は金利が高いため、将来利息がカットされるだけでも大きなメリットがあるといえます。

  2. (2)返済が滞ると起きる3つのリスク

    任意整理後の返済が滞ると、次の3つのことが起こる可能性があります。

    • 一括返済の請求を受ける
    • 遅延損害金も請求される
    • 差し押さえを受ける


    任意整理の和解では、ほとんどのケースで「2回分以上返済を怠ったとき」は期限の利益を喪失し、残額を一括で返済しなければならないと定められています。債権者によっては、「1回でも返済を怠ったとき」とされていることもあります。

    多くの場合は、期限の利益を喪失した日からの遅延損害金(年14.6%~20%程度)も付して一括返済することと定められているはずです。

    一括返済できなければ、債権者から支払督促や訴訟を起こされた上で、最終的には給料や預金口座などの財産を差し押さえられることがあります

  3. (3)複数の会社へ忘れずに返済するには

    任意整理後の返済は、債権者ごとに別々に行わなければなりません。返済日も振込先も、それぞれ異なります。そのため、返済できないわけではなくても、つい返済を忘れてしまうことも起こりがちです。

    返済忘れを防止するためには、各社の返済日にかかわらず、給料日後に全社へ送金するといった工夫も大切です。

    なお、法律事務所によっては、任意整理後の送金・返済代行サービスを行っているところもあります。毎月一度、事務所へ一定の金額を送金すれば、各社への返済は事務所が代行してくれるサービスです。

    債権者1社につき月額1000円程度の手数料がかかることが多いですが、返済忘れを防げますし、各社への振込手数料も節約できます。返済の精神的負担も軽減されるでしょうから、送金・返済代行サービスを利用してみるのもよいでしょう。

  4. (4)任意整理後の返済ができなくなった場合の対処法

    任意整理後に返済ができなくなったときは、以下の対処法が考えられます。

    • 再度の任意整理
    • 個人再生
    • 自己破産


    再度の任意整理では借金があまり減らないことが多いので、個人再生または自己破産に切り替えるケースも少なくありません。個人再生では借金を元金も含めて大幅に減額できますし、自己破産ではすべての借金の返済義務を免除してもらうことが可能です

    どの方法が適しているかは状況によって異なるので、お困りのときはベリーベスト法律事務所の無料相談をご利用ください。弁護士が詳しい事情を伺い、最適な解決方法を提案いたします。

3、任意整理後の生活で心がけるべき3つのこと

いったん任意整理をしたら、残った借金を遅滞なく返済していくことが最も重要です。そのためには、以下の3つのことを心がけましょう。

  1. (1)家計の収支を管理する

    家計簿をつけるなどして、毎月いくらの収入があり、いくら支出するのかを正確に把握しましょう。「気がついたら返済資金がなくなっていた」ということがないように、家計の収支を管理することが大切です。

  2. (2)少しでも貯蓄を心がける

    突発的な出費によって返済が滞ることがないように、貯蓄もしていきましょう。「使うだけ使って余裕があったら貯蓄に回す」と考えているとなかなかお金が貯まらないので、定期預金などを利用して「貯めた残りを使う」というように意識し、毎月少しでもいいので必ず貯蓄していくことをおすすめします。

  3. (3)ヤミ金からは借りない

    任意整理後に返済が苦しくなっても、ヤミ金から借りるのは絶対にやめておきましょう。ヤミ金は法外な利息を要求してくる上に、払えなければ厳しい取り立てや嫌がらせ行為をしてくるので、生活が破壊されてしまう可能性があります。

4、まとめ

任意整理後の生活では一部で不便な面もあるものの、おおむね今までの生活と変わるところはありません。事前にリスクを確認しておくことで、任意整理後も支障なく生活していくことが可能となります。わからないことがあれば、弁護士への相談をおすすめします。ベリーベスト法律事務所では借金問題に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけますので、お気軽にご連絡ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国76拠点、約350名の弁護士が在籍
※2024年10月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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