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借金の一本化はデメリットもある! 手続き方法や事前に確認したい点

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更新日:2025年12月03日 公開日:2020年03月17日

借金の一本化はデメリットもある! 手続き方法や事前に確認したい点

複数の銀行や消費者金融などから借金をしているときは、借金の一本化をすることで返済負担を軽減できる可能性があります。

ただし、借金を一本化しても、借金がなくなるわけではありません。すぐに返しきれないほどの借金があるときは、弁護士のサポートを受けながら債務整理を行いましょう。

本記事では、借金一本化のメリットやデメリット、債務整理との違いなどをベリーベスト法律事務所の弁護士が解説します。

1、借金一本化の仕組みと種類

借金一本化とは、複数の業者から借りているローン(借金)を1社にまとめることをいいます
「おまとめローン」というローン商品を新たに借り、そのお金で既存の借金(カードローンや消費者金融のローンなど)をすべて返済することで、借金を1社にまとめられる仕組みです。

  1. (1)借金を一本化するメリット

    借金を一本化することには、以下のようなメリットがあります。

    ① 返済管理が楽になる
    複数社から借りていると、各社の返済日を忘れてしまうこともあるでしょう。借金一本化をすると、返済日は毎月1回となるのが通常です。そのため、いつ返済をするのかといった管理がしやすくなるでしょう。

    ② 金利の負担が減ることがある
    既存のローンよりも低金利のローンに一本化することができれば、金利の負担が減って月々の支払額や総返済額を抑えられます。
  2. (2)借金一本化にはデメリットもある

    借金一本化には、以下のようなデメリットもあります。本当に借金一本化をすべきかどうか、事前によく考えましょう。

    ① 借金の元本は減らない
    借金一本化をしても、借入先が1社になるだけで、借金の元本が減ることはありません。後述する「債務整理」と比べると、返済負担を抑える効果は小さいと言えます。

    ② 一本化後の条件によっては、返済負担が増えるおそれがある
    借り換え時に手数料がかかることがあるほか、借り換え前よりも金利が高くなったり、返済期間が延びたりすることもあります。そのため、一本化後の条件を事前にきちんと確認することが大切です。
  3. (3)「おまとめローン」の主な種類

    借金一本化は、主におまとめローンによって行います。おまとめローンは、銀行(金融機関)・消費者金融・ろうきん(労働金庫)などが提供しています。

    一般的に、もっとも審査が緩やかなのは消費者金融のおまとめローンですが、代わりに金利が高い傾向にあります。
    銀行やろうきんのおまとめローンは、消費者金融と比べると審査が厳しい反面、金利は低く抑えられるでしょう。ただし、ろうきんのおまとめローンは、原則として組合員でなければ利用できません。

2、借金一本化の審査に落ちた・審査の甘い業者のみ通った場合の対応法

借金一本化を行うには、借換え先の銀行や消費者金融などの審査に通らなければなりません。収入や職業などの状況によっては、審査に落ちてしまう場合や、審査基準が甘く条件の悪いローンの審査にしか通らないケースもあります。

  1. (1)借金一本化の審査には通らないことがある

    たとえば、以下のような状況にある場合は、借金一本化の審査に通らない可能性が高いでしょう。

    • 無職である
    • 安定した収入がない
    • 借り入れ希望額に見合った十分な額の収入を得られていない
    • 勤続年数が短すぎる
    • 過去に借金やクレジットカードの支払いを滞納したことがある
    など
  2. (2)審査の甘い業者で借金を一本化することのリスク

    銀行などと比べると、消費者金融のおまとめローンは審査が甘く、安定した収入がない場合などでも利用できるかもしれません。ただし、審査の甘いローンは、金利が高く借り換え条件が不利なこともあるでしょう。

    また、あまりにも簡単にお金を貸してくれるところは、無登録で違法に営業する「闇金」の可能性もあります。返済が遅れた際に暴力的な取り立てを行ったり、法外な高金利を請求したりするのが闇金の特徴です。
    全く聞いたことのない業者や、SNS・郵便などで勧誘を受けた業者からお金を借りるのは避けましょう。闇金の可能性が高いと考えられます。

    審査が甘い業者のおまとめローンしか審査に通らず、このまま借金一本化をすることに不安を感じているなら、弁護士にご相談ください。次の項目で紹介する債務整理を含めて、根本的に借金問題を解決できる方法を検討できます。

3、借金一本化と債務整理なら、どちらを選ぶべき?

借金一本化のほか、借金問題の解決につながる手続に「債務整理」が挙げられます

債務整理は、銀行や消費者金融などの債権者との交渉や、裁判所の手続きを通じて、借金の減額や免責を認めてもらう手段です。「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、どれを選ぶべきかどうかは借金の額や収入によって異なります。

① 任意整理
債権者と交渉して、利息・遅延損害金のカットや返済期間の延長などを認めてもらう手続です。

② 個人再生
裁判所の手続を通じて、借金を減額してもらいます。自宅の処分を回避できる制度(住宅ローン特則)が設けられています。

③ 自己破産
裁判所の手続を通じて、借金を免責してもらいます。ただし、車などの高価な財産は原則として処分されます。


借金の一本化では根本的な解決ができなくても、債務整理をすれば解決できる可能性があります。状況に応じて、借金一本化と債務整理を適切に使い分けましょう。

  1. (1)借金一本化と債務整理の特徴の比較

    借金一本化と債務整理の違いを表でまとめました。

    借金一本化 債務整理
    手続の難易度(自分でできるかどうか) 比較的簡単(自分でできる) 難しい(弁護士に依頼するのが一般的)
    成功率 収入などの状況次第 適切な方法を選択すれば、成功しやすい
    手間 比較的少ない 大変(弁護士に依頼すれば軽減できる)
    返済負担の軽減効果 小さい 大きい
    日常生活への影響 ほとんどない 手続による
    信用情報への影響 ない 事故情報が登録される(ローンやクレジットカードが利用できなくなる)

    上記の比較を踏まえて、借金一本化と債務整理のどちらを選ぶべきかの判断基準を紹介します。

  2. (2)借金一本化を選ぶべきケース

    借金一本化に適しているのは、安定した収入があり、コツコツ返済すれば完済が見込める場合です

    安定した収入があれば、おまとめローンの審査に通りやすいでしょう。債務負担を軽減する効果は小さいものの、日常生活への影響はほとんどなく、信用情報への影響もありません。

    また、おまとめローンへの申し込みは自分ひとりでできます。完済が見込めるなら、弁護士費用をかけて債務整理を行うより、借金一本化を検討してみても良いでしょう。

  3. (3)債務整理を選ぶべきケース

    債務整理は、すでに借金を滞納している方や、借金完済が難しくなっている方向けです

    先述のとおり、借金一本化をしても、借金そのものが減ることはありません。返済が間に合っていない状態では、借金一本化の効果は不十分です。

    債務整理であれば、元本を含めて借金を減額または免責してもらえることもあります。適切な方法で債務整理を進めれば、借金問題を根本的に解決することが可能です。

    ただし、債務整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されてしまいます。手続によっては、財産が処分されるなど日常生活に影響が生じるリスクもあります。
    とはいえ、深刻な借金問題を抱えているときは、上記のデメリット以上のメリットを受けられる可能性が高いでしょう。

    借金一本化と債務整理のどちらを選択するとしても、深刻な滞納状態に陥る前に対応することが大切です。どちらを選ぶべきか迷った場合は、速やかに弁護士へ相談することをおすすめします。

4、借金を整理して計画的に返済したいなら、弁護士に相談を

借金の返済負担が重いと感じたら、ひとりで抱え込まず、弁護士にご相談ください。借金一本化や債務整理を含めて、ご自身のケースに合った解決方法をアドバイスいたします。

また、弁護士と相談し、債務整理を進めることになった際は、債権者に受任通知を送付後、債権者に受任通知が届いた時点で、取り立てや返済を一時的に止めることが可能です。日々取り立てを受けてストレスを抱えている方も、落ち着いて借金問題を解決しやすくなるでしょう。

弁護士であれば、債務整理に欠かせない債権者との交渉の代行や、万が一裁判となった場合の対応方法などをアドバイスできます。経験豊かな弁護士が適切に対応することで、借金問題を解決できる可能性が高まるでしょう。

5、まとめ

借金一本化をすると、返済管理がしやすくなるほか、条件次第では金利が下がり、返済負担を抑えられる場合もあります。

ただし、借金一本化をしても借金の返済が間に合わなさそうな場合や、すでに滞納している場合には、また借金の返済に追われるおそれがあります。借金一本化でも完済が難しそうな場合は、弁護士のサポートを受けながら、債務整理に取り組みましょう。

ベリーベスト法律事務所は、借金問題に関するご相談を随時受け付けております。借金一本化をすべきか、それとも債務整理などの別の方法を選択すべきか悩んでいる方は、ベリーベスト法律事務所へご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 13万1237件
  ※集計期間:2010年12⽉〜2024年12⽉末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国74拠点、約410名の弁護士が在籍
※2025年10月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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