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払えなくなった借金を整理する方法とは? 債務整理について解説

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更新日:2022年11月14日 公開日:2022年11月14日

払えなくなった借金を整理する方法とは? 債務整理について解説

借金を払えなくなったときに整理する方法はいくつかありますが、正しい方法を選択しなければ、失敗するおそれもあります。闇金に手を出すのは論外ですが、おまとめローンの利用も返済が長期化するなどして根本的な解決に至らないことが少なくありません。

借金問題を解決するためには、債務整理がもっとも有効です。ただ、債務整理にもいくつかの種類があるので、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で自分に合った手続きを選ぶことが重要となります。

この記事では、債務整理で借金を整理する方法と、最適な債務整理手続きの選び方について解説します。

1、借金を払えないときに有効な債務整理とは

債務整理とは、利息制限法やその他の法律に基づき、借金の減額や免除、返済期間の調整などをすることにより、債務者の経済生活を立て直す手続きのことです。
具体的な方法には、以下のようなものがあります。

  1. (1)任意整理

    任意整理は、債権者と直接交渉することにより借金を減額する手続きです

    利息制限法に基づき、払い過ぎた利息があれば元本に充当し、さらに将来利息のカットや返済期間についても交渉することで、返済の負担を軽減させることが可能です。

    基本的には残元金を3年~5年かけて分割返済する内容で、債権者と和解を結びます。

  2. (2)個人再生

    個人再生は、裁判所の手続きを利用して借金を大幅に減額できる手続きです
    一定の要件を満たせば、借金総額を5分の1~10分の1にまで減額させることが可能となります。
    ただし、減額後の借金を3年~5年で完済可能と見込まれるだけの継続的な安定収入がなければ利用できません。

  3. (3)自己破産

    自己破産は、裁判所の手続きを利用して借金の返済義務を全て免除(免責)してもらうことが可能な手続きです
    ただし、免責を受けるためには一定の条件を満たす必要があることと、他の債務整理よりもデメリットが多いことに注意が必要です。

  4. (4)その他の制度

    他にも、以下の制度が借金の整理に役立つことがあります。

    ● 特定調停
    特定調停は、簡易裁判所の民事調停手続きを利用して、任意整理と同じような交渉を行う手続きです。弁護士費用をかけずに借金を整理したい人が主に利用しています。
    ただし、裁判所での手続きが必要なため、自分で的確に進めることは簡単ではありません。
    手間がかかる割に借金の減額効果は高くなく、他の債務整理への切り替えが必要になれば二度手間となってしまいます。

    ● 過払い金返還請求
    過払い金返還請求は、利息制限法で定められた上限金利を超えて払い過ぎた利息を元本に充当しきれない場合に、超過した過払い利息の返還を求める手続きです。
    2007年頃から多くの貸金業者が利息制限法の範囲内でしか貸付を行わなくなったため、最近では過払い金が発生しているケースは少なくなっています。

    ● 時効の援用
    貸金業者からの借金は最後の取引から5年で消滅時効にかかります。時効成立を理由として返済を拒否することを「時効の援用」といいます。
    ただし、貸金業者は時効が成立しないように督促や法的手続きをとってくるため、時効成立を期待して借金を放置することは得策ではありません。

2、債務整理で得られるメリット

全ての債務整理に共通するメリットは、返済の負担が軽減されることと、債権者からの督促や取り立てが一時的に止まることです。
弁護士に債務整理を依頼した場合は、受任通知が債権者に届いた時点で督促や取り立てが止まります。その後、債務整理手続きが終了するまでは返済する必要もありません。

任意整理と個人再生では、次のメリットもあります。

  • 基本的に財産を処分する必要はない
  • 借金した理由は問われない
  • 仕事に影響を及ぼすこともない


さらに、任意整理に特有のメリットとして以下の点も挙げられます。

  • 手続きの対象とする債権者を自由に選べるため、保証人に迷惑をかけずに借金を整理できる
  • 手続きしたことが公表されないため、家族や職場に知られずに借金を整理しやすい


個人再生では、住宅ローン特則を適用できればマイホームを残すことも可能になるというメリットもあります。

自己破産では、借金の返済義務を全て免除してもらうことが可能であり、そのため、収入がない人も利用可能というメリットも挙げられます。

3、債務整理で生じるデメリット

全ての債務整理に共通するデメリットは、信用情報機関に事故情報が登録され、新たな借入やクレジットカードの利用などができなくなるということです
事故情報の登録期間は、任意整理で完済後5年、個人再生と自己破産で10年が目安とされています。

任意整理と個人再生では、手続き後も借金が残るため、返済が見込めるだけの収入が必要となります。
特に、任意整理では基本的に元金を全額返済する必要があるので、大幅な減額はあまり期待できないことに注意が必要です。

個人再生と自己破産では、以下のデメリットも挙げられます。

  • 全ての債権者を対象とする必要があるため、保証人が返済の請求を受けることがある
  • 手続きが複雑
  • 高額の費用がかかることもある
  • 官報に氏名や住所が掲載される


自己破産に特有のデメリットとして、以下のことにも注意が必要です。

  • 一定の評価額を超える財産は処分される
  • 手続き中は一部の資格や職業に制限がある

4、最適な債務整理手続きの選び方

債務整理をする際には自分の状況に照らし、もっともメリットが大きくデメリットが小さい手続きを選ぶべきです。一般的には、以下のように判断できます。

  1. (1)任意整理が適しているケース

    次のようなケースは、任意整理に適しているといえます。

    • 借金総額が比較的小さい
    • 毎月の返済額を多少減らせば返済可能なだけの収入がある
    • 手放したくない財産がある
    • 保証人に迷惑をかけたくない
    • 手続きにかかる手間や費用の負担を抑えたい


    任意整理で解決可能な借金総額の上限は収入によりますが、一般的な会社員の場合でおおよそ300万円程度までと考えられます。

  2. (2)個人再生が適しているケース

    次のようなケースは、個人再生に適しているといえます。

    • 任意整理では解決困難な多額の借金を抱えている
    • 一定の安定収入がある
    • 借金の理由が浪費やギャンブルなどで、自己破産では免責が得られない
    • 自己破産をすると制限される職業に就いている
    • マイホームを維持しつつ借金を整理したい


    ひとことで言えば、任意整理では解決できないが自己破産はしたくない、またはできないという場合に個人再生が有効です。

  3. (3)自己破産が適しているケース

    次のようなケースは、自己破産に適しているといえます。

    • 多額の借金を抱えている
    • 借金を減額しても返済可能なだけの収入がない
    • 借金の理由が浪費やギャンブルなどではない
    • 一定の評価額を超える財産を所有していない
    • 制限を受ける職業に就いていない


    自己破産は最終手段ではありますが、借金の返済義務が全て免除されるというメリットは大きいので、他の債務整理で解決が難しい場合には視野に入れるべきです。

5、まとめ

「借金の整理」とひとことで言っても、さまざまな方法があることがおわかりいただけたでしょうか。

借金問題を解決するためには、状況に合った債務整理を選択することが重要です。任意整理で解決したいと思っても、借金総額が大きければ経済生活を立て直すことは困難です。
逆に、自分では自己破産しかないと思っていても、任意整理または個人再生で解決可能なケースもあります。

最適な解決方法を選ぶためには、経験が豊富な弁護士に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。
解決方法が決まったら、弁護士に依頼することにより複雑な手続きは全て任せることが可能です。

ベリーベスト法律事務所では、借金問題に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけます。
弁護士費用の分割払いにも対応していますので、借金の整理をお考えの方はぜひ一度、当事務所へご相談ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国73拠点、約360名の弁護士が在籍
※2024年2月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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