任意整理の相談は弁護士事務所へ！ 早期の相談が重要な理由

任意整理の相談をする前に、ある程度の予備知識があれば、より実りのある相談をすることが可能となります。お時間の許す限り、以下の知識を頭に入れておかれることをおすすめします。

1. （1）任意整理とは

   任意整理とは、債権者との交渉によって返済条件を変更して和解を行うという債務整理の方法です。
   
   自己破産や個人再生とは異なり裁判所への申し立ては不要なので、手間がかからず、費用の負担も軽い傾向にあります。他人に知られることなく、また保証人に迷惑をかけずに借金を整理しやすいというメリットもあります。
   
   その一方で、自己破産や個人再生と比べて借金の減免効果が限定的というデメリットに注意が必要です。

2. （2）任意整理ができる条件

   任意整理をするためには、主に以下の3つの条件を満たす必要があります。

   • 安定収入があること
   • 3年～5年で元金を完済できる見込みがあること
   • 完済するまで返済を継続する意思があること
   
   
   

   任意整理では、基本的に将来利息（債権者と債務者の間で和解が成立した時点から借金の完済まで発生する予定の利息）が免除され、元金を3年～5年で分割返済していくことになります。それが難しい場合には、他の解決方法を検討しなければならない可能性もあります。

3. （3）任意整理以外の解決方法

   任意整理を希望していても、必ずしも任意整理で借金問題を解決できるとは限りません。任意整理で解決することが難しい場合には、自己破産または個人再生の申し立てを検討することになります。
   
   個人再生では借金総額が大幅に減額されますが、減額後の借金を3年～5年で完済できる程度の安定収入があることを証明できなければ利用できません。
   
   自己破産を選択し手続きが成功すれば借金の返済義務をすべて免除してもらうことが可能ですが、特定の財産を処分する必要があったり、手続き中は一部の職業に就くことを制限されるといったデメリットもあります。
   
   どの債務整理手続きが最も適しているかは、相談した上で決めることになります。

ここでは、任意整理の相談ができる主な窓口を5つご紹介します。それぞれ窓口に相談する場合の注意点も解説していきますので、参考になさってください。

1. （1）市役所の市民相談

   各自治体の役所には、無料の相談窓口が設けられています。多くの自治体では定期的に弁護士による法律相談も開催されているので、そこで任意整理についても相談できます。
   
   ただし、相談時間が20分程度に限られている場合が多いので、込み入った相談をする場としては適していません。取りあえず任意整理に関する基本的なことを知りたいという場合に利用するとよいでしょう。

2. （2）弁護士会の法律相談センター

   各地の弁護士会に設置されている「法律相談センター」では、定期的に予約制の法律相談会が開催されています。それとは別に、相談可能な弁護士を紹介してくれるところもあります。
   
   法律相談センターを介して弁護士に任意整理の相談をした場合は、直接、その弁護士に依頼することができます。ただし、基本的に弁護士を選ぶことはできませんので、必ずしも債務整理の経験豊富な弁護士を紹介してくれるとは限らないことに注意が必要です。

3. （3）法テラス

   各地の法テラス（日本司法支援センター）の事務所では、一定の条件を満たす場合に弁護士の無料相談を利用できます。もちろん、任意整理の相談も可能です。相談した弁護士に依頼する場合、弁護士費用は一般の法律事務所よりも低価格となる傾向にあります。
   
   ただし、法テラスでも基本的に相談する弁護士を自分で選ぶことはできません。

4. （4）弁護士の事務所

   任意整理の相談は、各弁護士の事務所に直接申し込むこともできます。相談した結果、その弁護士に任意整理を依頼したいと思った場合は、その場で依頼することができるので、迅速な解決につながります。
   
   もちろん、相談だけでも利用可能です。取りあえず任意整理に関する基本的なことを知りたい場合でも、債務整理の実績が豊富な弁護士を選んで相談すれば、より有益なアドバイスが得られます。
   
   相談料は原則として有料ですが、無料相談を受け付けている事務所も多くあります。事前に相談料を確認してから申し込むようにしましょう。

5. （5）司法書士の事務所

   司法書士の事務所でも、弁護士事務所と同様に任意整理の相談や依頼を受け付けているところがあります。
   
   ただし、司法書士は1社あたり140万円を超える借金問題には対応できないことになっています（司法書士法3条）。そのため、多額の借金を抱えている場合は弁護士事務所に相談する方が迅速な解決が期待できるといえます。

任意整理の相談窓口を5つご紹介しましたが、その中でも最もおすすめの相談先は弁護士の事務所です。その理由は以下の3点です。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

1. （1）弁護士を選べる

   任意整理の相談や依頼をする場合、任意整理の実績豊富な弁護士を選ぶことが重要です。なぜなら、任意整理の経験がほとんどない弁護士には

   
   
   • 任意整理に関する知識
   • ノウハウ
   
   

   などが不足している可能性が高いからです。
   
   弁護士を探す際には、インターネットで検索し、弁護士（あるいは事務所）の

   
   
   • 実績
   • 取り扱い分野
   
   

   などを調べることが有効です。

2. （2）受任通知が債権者に届いた時点で、取り立てが一時的に止まる

   弁護士に任意整理を依頼すると各債権者へ受任通知を送付してもらえるので、取り立てや督促が一時的に止まります（貸金業法第21条第1項第9号）。（取り立てや督促が一時的に止まるのは、受任通知が債権者に届いた時点です。）和解が成立するまでは返済する必要もありません。その間に生活を立て直し、任意整理後の返済に備えることも可能となります。
   
   自分で弁護士を選んで相談し、直接依頼することで、取り立てや督促が一時的に止まるまでの時間を短縮することができます。

3. （3）任意整理手続きを代行してもらえる

   任意整理を依頼した後は、弁護士がすべての手続きを代行してくれます。自分で債権者と直接やりとりする必要はありませんので精神的ストレスからも解放されます。
   
   任意整理の実績が豊富な弁護士を選んで依頼すれば、安心して任せることができます。

任意整理の相談をしたいと考えていても、「自分の状況で任意整理ができるのだろうか」ということが気になって弁護士への相談をためらっている方も少なくないようです。

しかし、以下でご説明するように、解決方針が定まっていなくても弁護士に依頼することは可能です。

1. （1）解決方針を決めにくいケース

   弁護士に相談しても、その場では解決方針の決断に迷うケースがあります。

   • 利息を払いすぎているため、正確な借金額が分からない
   • 債権者がどこまでで和解に応じてくれるかを読み切れない
   
   
   

   このような場合でも、取りあえず任意整理を弁護士に依頼し、債権調査をしてもらうことは可能です。

2. （2）債権調査後に解決方針を決めることも可能

   依頼を受けた弁護士は、まず債権者から取引履歴を取り寄せ、利息引き直し計算を行います。この作業によって、正確な借金額が判明します。
   
   それから弁護士が各債権者と交渉しますが、返済可能な条件で和解できない場合には、その時点で自己破産や個人再生に手続きを切り替えることも可能です。
   
   「解決方針を決めるまで依頼はできない」と考えていると、その間に借金が増えてしまい、任意整理での解決が難しくなるおそれもあります。ひとりで悩まず、まずは弁護士に相談・依頼し、状況に応じて最終方針を固めることが早期解決につながります。

任意整理を相談できる窓口は数多くありますが、最も重要なことは、任意整理の実績が豊富な弁護士からアドバイスを受けることです。そのためには、自分で弁護士の事務所を選び、直接相談を申し込むことがベストです。

ベリーベスト法律事務所では、債務整理専門チームに所属する弁護士が任意整理のご相談に対応いたします。任意整理をはじめとして、借金問題に関するご相談は何度でも無料でご利用いただけますので、相談費用の心配も不要です。

お困りの際は、いつでもお気軽に当事務所までご連絡ください。