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カードローンを任意整理で解決すべき理由。 借金減額の仕組みと注意点も解説

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更新日:2021年03月23日 公開日:2021年03月23日

カードローンを任意整理で解決すべき理由。 借金減額の仕組みと注意点も解説

カードローンは、利便性が高く、近年では銀行も積極的に参入したことから利用者が増加しました。しかし、複数のカードローン会社から借金をする多重債務トラブルの増加などを受け、2017年から全国銀行協会は自主規制を開始しました。そのため、利用者数は一時期よりも落ち着きをみせていますが、昨今のコロナ禍による不況により、再びカードローンの利用者が増えることが懸念されています。

カードローンの返済ができなくなった場合に、有効な解決方法のひとつに任意整理があります。今回は、カードローンを任意整理で解決する仕組みや、任意整理で解決するメリットや注意点などについてわかりやすく解説していきます。

1、カードローンが返済できなくなってしまう3つの理由

まずはカードローンの返済ができなくなってしまう原因について確認しておきましょう。

  1. (1)予期せぬ収入減

    カードローンを利用する際にはどの人であっても「返済できる」という前提で申し込みをしているでしょう。

    しかしながら、勤務先の突然の倒産や業績不振に追い込まれてしまった、自分自身がケガや病気などで予期せぬタイミングで収入が途絶えてしまったなどにより、収入が大幅に減少してしまうこともあります。

    同様に、家族の介護費用、病気の治療費、子どもの進学費用などのイレギュラーな支出により家計が苦しくなりカードローンの返済ができなくなってしまうケースもよくあるパターンといえます。

  2. (2)借りすぎ・多重債務

    カードローンが返済できなくなってしまう大きな原因のひとつは、借りすぎです。カードローンは、契約で定められた限度額の範囲内であれば繰り返し利用できるため、借りすぎのリスクが高くなる可能性があります。

    また、いくつものカードローン会社から借金をし、A社のカードローンをB社の返済にあてるなどして、多重債務のサイクルに陥ってしまうケースも少なくないでしょう。

    最近ではカードローン業者の競争も激しくなっていることから、以前よりも簡単に申込みできる仕組みになり、複数のカードローンから多重の借入をしてしまう可能性が高くなっています。

  3. (3)利息の負担

    カードローンは無担保の融資であるため、それに設定される金利も高くなっています。そのため、毎月の金利負担が原因で、返済が行き詰まってしまうケースや、毎月きちんと返済しているのに借金の残額がほとんど減っていかないというケースも珍しくありません。

2、任意整理で借金が減額される仕組み

任意整理は、今後の返済条件を緩和してもらうために、債権者と直接話し合いをする方法で行われます。

債権者との話し合いにおいては、以下の点について、今後の返済条件を軽くしてもらえるように交渉し、合意できた場合には、その条件にしたがって、借金の残額を返済していくことになります。

  1. (1)将来利息と遅延損害金の免除

    カードローンの任意整理においては、債権者に対して今後の利息である将来利息や遅延損害金の免除をしてもらえるように交渉します。

    特に、カードローンを複数抱えている多重債務のケースにおいては、毎月の利息負担だけでも多額になることもあり、任意整理によって利息を免除してもらう効果が大きいといえるでしょう

  2. (2)返済回数の見直し

    任意整理では、将来利息や遅延損害金の免除に加えて、返済回数の見直しを債権者に対してお願いすることになります。返済期間の見直しによって、毎月無理なく支払える金額に返済額を圧縮していくというわけです。

    なお、将来利息の免除を得られれば、分割回数が長くなるほど債務者の返済負担も軽くなりますが、債権者の立場としては、利息を免除した上に残元金の返済期間が長くなれば逆に損失が大きくなります。そのため、実務の上では、3年(36回)から5年(60回)程度の期間で残元金を返済する内容で合意するのが一般的となっています。

3、カードローンを任意整理で解決するメリット

任意整理は、他の債務整理である個人再生や自己破産と比べたときには次の点で優れているといえます。

  1. (1)誰にも知られずに解決できる可能性が高い

    個人再生・自己破産は、手続き中に官報による公告が行われ債務者の氏名などが掲載されてしまいます。実際には官報公告によって、個人再生や自己破産の事実を他人に知られる可能性はかなり低いといえますが、ゼロではないのも事実です。

    この点、任意整理であれば、裁判所の手続きを用いず、銀行・消費者金融などの債権者と直接話し合いをすることで行われるので、官報公告もなく、裁判期日のように公開の場で話し合いが行われることもありません。

    また、任意整理を弁護士に依頼すれば、債権者との話し合いを一任すことができるので、自宅や勤務先などに直接の連絡がくることもありませんしたがって、他人に借金問題を抱えていることなどを知られてしまうリスクも少なく、ケースによっては、家族にも知られることなく解決できる可能性も高くなります

  2. (2)対象にする債権者を選べる

    裁判所での手続きとなる個人再生・自己破産はすべての借金を対象に手続きが進められることになります(債権者平等の原則)。

    そのため、カードローンに加えて住宅ローンや自動車ローンを抱えている人が自己破産した場合、せっかく購入したマイホームも手放すことになってしまいます。ただし、個人再生であればマイホームを手放さずに済む場合があります。

    この点、任意整理はあくまでも債務者と債権者との任意の話し合いにすぎないので、それぞれのケースが抱える事情によって、以下のような対応を選択することも可能です。

    • カードローンだけを任意整理して住宅ローンはこれまで通り返済する
    • カードローンだけを任意整理して、クレジットカード(リボ払い等)はこれまで通り返済する
    • カードローンの一部だけを任意整理して、残りのカードローンはこれまで通り返済する
    • 消費者金融のカードローンを任意整理して、銀行カードローンはこれまで通り返済する
  3. (3)手続き・費用の負担が軽い

    任意整理は、裁判所での手続きが不要ですから、申立書や財産目録などの書類を作成する必要がありません。また、弁護士に依頼をすれば、相手方となる債権者との交渉もすべて行ってもらうことができるので、依頼をした後は結果の報告を待つだけでよい場合がほとんどです。

    このように手続きそれ自体の手間が大きくないことから、費用面も自己破産や個人再生と比べて、比較的抑えられることもメリットといえます。

4、カードローンを任意整理するときの注意点・デメリット

任意整理は、返済の難しくなったカードローンを解決する方法として優れた手続きといえますが、その際には以下の点に注意する必要もあります。

  1. (1)カードローンを任意整理すると生じるデメリット

    任意整理の対象としたカードローンは、弁護士からローン業者に任意整理の申し入れがあった時点で強制解約となり、その業者のローンは今後組めなくなる可能性が高くなります。

    さらに、強制解約された事実が信用情報として登録されることから、他の金融機関との信用取引であるローンやクレジットカードの申し込みなどに影響が生じる可能性もあります。

    とはいえ、任意整理に関連して登録された信用情報は、登録から5年から10年で消去されますので、他のローン業者等との契約が一生できなくなるというわけではありません。

  2. (2)銀行系カードローンを任意整理するときの注意点

    銀行系カードローンは、メガバンクの名前を冠しているため、消費者金融のカードローンに比べて安心だと感じている人が多いかもしれません。しかし、銀行カードローンも高利の借金であることには注意すべきです。また、銀行カードローンを任意整理した場合には、次のようなことが生じる可能性があることを知っておきましょう

    • カードローンの任意整理の相手となった銀行から、住宅ローンなどの借金があれば強制解約になる
    • カードローンの任意整理したことで銀行口座が凍結されることがある


    特に、自分のメインバンクのカードローンを任意整理する場合には、給料振込口座や公共料金の振替口座などが凍結されてしまう可能性があることに注意しておかなければなりません

  3. (3)カードローンを任意整理できないケースがある場合に注意

    任意整理は、相手方との交渉を始めるにも相手方との同意が必要です。裁判所の手続きとは違い手続きを強制することはできないからです。

    したがって、次のような事情がある場合には、相手方が任意整理のための話し合いにも応じてくれない可能性があります。

    • 借り入れからほとんど返済をしていない場合
    • 債権者がすでに裁判などを起こしている場合
    • 長期間の滞納で債権者との信頼関係が破壊されている場合


    また、任意整理では、カードローンの残元金については、一定期間内での分割返済が必要になるので、毎月の返済が続けられるだけの収入がない場合には、債権者と和解することは難しいといえます。

5、まとめ

任意整理は、小口で高利の借金であるカードローンが返せなくなったときの解決方法として有効です。また、将来利息の免除を受けられれば、返済した分だけ借金の残額も減るため、分割返済を続けるモチベーションを保ちやすい点もメリットのひとつといえます。

しかし、多重債務などで借金が多額になりすぎてしまえば、現在の収入では返済をしきれなくなってしまう可能性が高くなってしまいます。

カードローンでお困りの際は、まずはベリーベスト法律事務所の弁護士までご相談ください。受任通知の送付により、債権者からの取り立てをすみやかに停止させることが可能です。ベリーベスト法律事務所は、おひとりおひとりのご依頼について迅速・丁寧な対応を心がけており、任意整理のご相談は何度でも無料でご利用いただけます。カードローンの返済でお困りの際には、まずはお気軽にご連絡ください。

この記事の監修者
萩原達也

ベリーベスト法律事務所は、北海道から沖縄まで展開する大規模法律事務所です。
債務整理、任意整理、自己破産、個人再生、過払い金請求など、借金問題についてのお悩み解決を弁護士がサポートいたします。債務整理のご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽に お問い合わせください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています
オフィス
[実績]
・債務整理の相談件数 36万8091件
  ※集計期間:2011年2月~2022年12月末
・過払い金請求 回収実績件数 90253件
・過払い金請求 回収実績金額 1067億円以上
  ※集計期間:2011年2⽉〜2022年12⽉末
[拠点・弁護士数]
全国74拠点、約360名の弁護士が在籍
※2024年2月現在
[設立]
2010年(平成22年)12月16日

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