債務整理 弁護士コラム

任意整理とはどんな手続き? 任意整理についてよくある疑問点について解説

2020年07月22日
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任意整理とはどんな手続き? 任意整理についてよくある疑問点について解説

借金の返済に行き詰まってしまったときには、「債務整理」で解決することができます。
債務整理にはさまざまな方法がありますが、任意整理は最も利用されている方法です。

任意整理は、裁判所を利用しないで行えるので費用も安く、最も手軽な手続きです。
弁護士や司法書士に相談し、依頼すれば、その後は任せて借金を解決することができます。

しかし、多くの人にとって債務整理は初めての経験なので、「わからないことが多い」ことが大きな不安材料となる場合も多いでしょう。

そこで、今回は、任意整理の一般的な流れやよくある疑問点などをまとめてみました。

多額の借金を抱えてしまい、毎月の返済に悩んでいる方は参考にしてみてください。

1、任意整理とは

任意整理は、裁判所を利用せずに行えることが特徴の債務整理の手続きです。
債務者が債権者と交渉をして、将来利息をカットしたり、支払期を3年から5年程度の分割にすることによって、借金を今よりも返済しやすくする手続きをします。

2、任意整理で借金を解決するときの流れ

任意整理は最もよく利用されている債務整理の方法です。

しかし、債務整理を依頼するほとんどの人にとっては、債務整理それ自体が初めてだということが多いでしょう。そこで、任意整理によって借金を解決するまでの基本的な流れについても確認しておきたいと思います。

  1. (1)弁護士・司法書士への相談・依頼と受任通知の送付

    任意整理は、特にやり方が決められているというわけではありません。したがって、債務者本人が消費者金融・銀行といった債権者と直接交渉して行うことも可能です。

    しかし、任意整理の交渉を成功させるためには、弁護士か司法書士に依頼して行った方がよいでしょう。任意整理の交渉には、法律知識だけでなく専門的な交渉スキルも必要となることが多いからです。

    ただし、司法書士へ依頼する際には注意が必要です。司法書士は1社から140万以上借りている方の依頼を受けることができず、また「認定司法書士」でなければ裁判所での債務整理手続きもできません。

    ①弁護士・司法書士に任意整理を依頼する
    弁護士・司法書士に任意整理(債務整理)を依頼するときには、相談を経ずに、いきなり任意整理を依頼すべきではないので、注意しましょう。
    実際に依頼をする前の段階で、具体的状況について弁護士・司法書士に説明をして、依頼の是非を正確に判断できるだけの情報を提供してもらう必要があるからです。

    「借金が返せない以上、どうせ依頼することには変わりがないのだから、相談なんて面倒」と感じる人もいるかもしれませんが、任意整理(債務整理)は依頼人自身にも一定のデメリットが生じる重大な手続きなので、専門家から提供された情報に基づいて、再度慎重に依頼するかどうかを判断することが大切です。

    弁護士・司法書士が必ず加入している日本弁護士連合会・日本司法書士会連合会も、弁護士・司法書士に対して任意整理を任せる際には、必ずその前に弁護士・司法書士本人が依頼人と直接面談(相談)することを強く求めています。

    ②弁護士・司法書士による受任通知の送付
    任意整理(債務整理)を受任した後、弁護士や司法書士は、すぐに債権者に「受任通知」とよばれる文書を送付します。受任通知とは、その名のとおり債務者である依頼人から任意整理(債務整理)の手続きを受任し、その代理人となったことを債権者に通知するための文書です。

    弁護士・司法書士からの受任通知を受け取った金融機関(債権者)は、債務者への直接の取り立て(連絡行為)を法律などによって禁止されます(連絡は弁護士宛てにしなければなりません)。つまり、任意整理(債務整理)を弁護士・司法書士に依頼すれば、これまで悩みの種だった債権者からの督促(電話連絡やハガキの送付)が完全にストップするというわけです。

    さらに、弁護士・司法書士に債務整理を依頼したときには、受任通知送付の際に「支払停止の通知」もあわせて行ってくれるので、毎月の返済を一時的にストップすることができます。
    督促も返済もどちらもなくなれば、いままで借金に追われていた生活からも解放されることになります。

  2. (2)返済計画を弁護士と相談

    弁護士・司法書士は受任通知を送付する際に、債権者(金融機関)に対して、「取引履歴の開示」も求めます。

    借金の残額を正確に把握するために取引履歴が必要となるからです。したがって、「借金の残額を覚えていない」という場合でも、債務整理を依頼することは全く問題がありません。
    金融機関には取引履歴の開示に応じる義務があるので、弁護士・司法書士が残債務を確実に調査してくれるからです。

    取引履歴の開示時期は、債権者によって対応が異なりますが、債務残額が判明したところで、毎月の収入・生活に必要な支出といった家計状況とも照らし合わせて、今後の具体的な返済計画を立てることになります。下で別に解説しますが、任意整理では「借金元金の残額」はきちんと返済しなければなりませんから、「収入がゼロで全く返済できない」というときには手続きすることができません。

  3. (3)債権者との交渉

    返済計画がまとまると、弁護士・司法書士はそれぞれの債権者と今後の返済条件を見直すための交渉を行います。交渉の方法などについては特に決まりはありませんが、一般的には弁護士と債権者(の担当者)との電話・ファクス(メール)による交渉がメインとなります。

    なお、任意整理の交渉に応じるかどうかは、「債権者の自由」です。裁判所を用いないため、相手方を話し合いに強制的に応じさせることはできません。規の金融機関であれば、大半は話し合いには応じてくれますが、中小の消費者金融の一部には、「任意整理には応じない」という方針を採っているところもあります。

  4. (4)任意整理の締結(債権者との和解)と借金残額の分割返済

    任意整理は、交渉それ自体が任意なので、債権者と同意できなければ、借金を解決することはできません。

    そのため、「借金元金の免除」、「借金元金の10年分割」といったような債務者側の事情だけを押しつけるような返済条件では債権者に同意してもらえない場合が多いでしょう。実務の上では、「将来利息(および受任通知送付後の遅延損害金)の免除」、「残元金の3~5年の分割返済」という条件で、債権者と和解することが一般的とされています。

    とはいえ、5年を超える分割返済が100%不可能というわけではありません。弁護士・司法書士が粘り強く交渉した結果、5年を超える返済での任意整理がまとまったという案件もあります。「5年では返済できる状況にない」という場合でも、あきらめずに弁護士・司法書士に相談してみることが大切です。

    債権者との和解がまとまれば、あとはその条件にしたがって借金の残元金を少しずつ返済していくことになります。任意整理後は、一般的に利息が完全に免除されるので、返せば返しただけ残金が減り、返済することのモチベーションも維持しやすくなります。

3、任意整理についてよくある6つの疑問

以下では、任意整理で借金を解決しようと思っている人が、疑問をもちやすい事項について簡単に解説をしていきます。

  1. (1)借金がいくら残っているかわからなくても、任意整理することはできるか?

    カード会社、消費者金融や銀行からの借金は、弁護士・司法書士が債務額を調査してくれるので、「いくら残っているかわからない」という場合でも任意整理を依頼することができます。上でも触れたように、債務整理を受任した弁護士・司法書士は、受任通知を送付する際に、取引履歴の開示を債権者に求めて借金の残額を正確に把握するために必要な調査を行います。そのため、弁護士・司法書士に任せておけば、きちんと対応してもらえます。

  2. (2)家族や勤務先に知られずに、任意整理で借金を解決することはできるのか?

    債務整理の中で「最も他人に知られづらい」ことは、任意整理のメリットのひとつです。

    受任通知送付後は、債権者から郵便物が送られるときには、すべて代理人である弁護士・司法書士宛てに送付されます。したがって、債権者からの電話やハガキによって、家族や職場に知られることはほとんどほとんどありません。
    また、弁護士や司法書士との連絡は、携帯・スマホ(メール)といったプライバシーを確保できる手段で行うことができます。

    書類を受け取る必要があるときには、自分で事務所に出向けば、万が一の事態(家族に知られるなど)を避けることもできます。

  3. (3)アルバイトやパート主婦でも任意整理で借金を解決できるのか?

    任意整理では、「毎月の返済額」を確保できるのであれば、どのような収入でも問題ありません。したがって、「正社員ではない」ことは全く問題になりません。

    実際にアルバイト・パート主婦・年金生活者でも任意整理で借金を解決できた人は、たくさんいます。また、家計のやりくりで毎月の返済額を確保できるのであれば、専業主婦でも任意整理できないわけではありません。

  4. (4)任意整理するとどのようなデメリットがあるのか?

    債務整理を必ず一定のデメリットが生じますが、他の債務整理よりもデメリットが小さいことが大きな特徴です。

    たとえば、自己破産した場合のように、財産を強制的に処分されたり、官報に氏名などが掲載されることはありません。任意整理を行ったときには、原則として「信用情報に傷がつく」こと以外のデメリットは発生しません。

    よく「ブラックリストに載る」といわれるのは、「信用情報に債務整理をしたことが登録されること」です。「信用情報に事故情報が載る」ことで、今後の信用取引(借金・クレジットカードの契約)に悪影響が生じます。新規の借金・カード発行の契約ができないだけでなく、いま持っているクレジットカードも利用停止・更新拒否になることもあります。

    しかし、このデメリットは一生続くというわけではありません。

    信用情報に登録された事故情報は、保存期間が経過すると消去されるからです。
    任意整理の場合、事故情報の保存期間は登録から5年です。
    自己破産・個人再生の場合には、信用情報機関によっては保存期間が10年となることもあるので、任意整理はこの点でもデメリットが小さいといえます。

  5. (5)パチンコや浪費が原因の借金でも任意整理できるのか?

    任意整理では、借金の原因が問題となることはありません。

    債権者に対して借金の(本当の)原因を申告する必要はないからです。そもそも任意整理では、借金の残元金はきちんと返済するので、その原因によって手続き上の有利不利が生じることもありません。

    他方、借金を完全に免除してもらえる自己破産の場合に、その原因が浪費・ギャンブルであるときには、免責不許可(借金免除を認めてもらえない)となる可能性があります。

  6. (6)住宅ローン、車のローンは任意整理できるのか?

    住宅ローンや車のローンは、任意整理することの難しい借金の典型例です。なぜなら、これらの借金には担保を提供していることがほとんどだからです。

    担保を提供した借金を債務整理(任意整理以外の場合も同様)すれば、債権者は担保(抵当権の設定された不動産・所有権を留保した自動車、連帯保証人)からの回収を図ることになります。したがって、任意整理をする場合には、担保のある借金は除外して手続きを進めることが一般的です。

    実際、任意整理でカードローンなどを解決できれば、住宅ローンや自動車のローンはこれまで通り返済できる場合も多いでしょう。

4、任意整理すると借金はどれくらい減るのか?

任意整理で借金を解決したいと考えている人にとって、「どのくらい借金が減る」、「どのくらい借金返済が楽になるのか」ということは大きな関心事だと思います。

そこで、以下では、任意整理した場合にどのように、どのくらい借金(返済の負担)が減るのかということについて確認していきます。

  1. (1)任意整理では「将来利息の免除」が基本

    消費者金融やカードローンなど金利の高い借金は、将来利息がなくなるだけでも返済が楽になります。

    たとえば、100万円を15%の金利、48回払いで借りた場合には、毎月約2万8000円の返済となります。そのうちに含まれる利息分は、その内の1万円を超え、完済までに支払う利息の総額では、なんと約30万円を超える金額になってしまいます。

    将来利息が免除されれば、この利息(上のケースでは30万円)を支払わなくてよくなるので、返済総額という面では大幅な減額となり、その分を元本の返済に充てることができ、返済も楽になります。

  2. (2)返済回数を見直すことで「毎月の返済額」を圧縮できることも

    任意整理とは、「いまの返済条件では借金を返せない」という状況を解決するために行うものなので、「毎月の返済額を対応可能な金額まで減らす」ことがとても大切です。

    将来利息を免除してもらい返済総額が大幅に減らせば、おのずと毎月の返済額も減りますが、返済期間の見直し(延長)によって、さらに毎月の返済額も減らしてもらえるよう債権者と交渉します。

    しかし、返済期間は無限に引き延ばせるというわけではありません。
    債権者に利息の免除をお願いする上に、返済期間も長くなり過ぎれば、任意整理(和解)に応じてもらえる可能性が減ってしまうからです。

    そのため、一般的には、返済期間が3年から5年に設定されることが一般的です。つまり、5年で返済できないほど多額な借金を抱えてしまった場合には、任意整理で解決できる可能性も減ります。

5、任意整理で借金を解決するには、一日も早く弁護士・司法書士に相談することが大切

任意整理を考えている方は、借金の返済に非常に困っていることが多いでしょう。

借金の悩みは誰かに相談することも簡単ではないため、「自力でなんとかしたい」と無理な対応をしてしまいがちです。いわゆる自転車操業(返済のための追加の借金)は、その典型例といえます。しかし、いまの借金でも返済できていないときに、さらに借金を重ねてしまえば状況はさらに悪化してしまう可能性の方が高いといえるでしょう。

弁護士・司法書士にところに相談に訪れる人には、自転車操業をしてしまった結果、借金が当初の何倍にも膨らんでしまったという人も少なくありません。

ここまで解説してきたように、任意整理には借金元金を減らすことができないという限界があります。抱えた借金が多額になり過ぎれば、任意整理で解決できる可能性も当然減ってしまいます。

任意整理(債務整理)を弁護士や司法書士に依頼すれば、毎月の返済をストップさせられるだけでなく、債権者からの取り立ても完全になくなります。借金の返済が行き詰まってしまったときには、状況がさらに悪化する前に、一日も早く弁護士や司法書士に相談をして借金を解決しましょう。

6、まとめ

裁判所を利用せずに借金を解決できる任意整理は、債務整理の中で最も手軽な手続きです。

その反面、今後の返済条件について債権者と同意できるように、巧みに交渉することがとても非常に重要になります。弁護士・司法書士に依頼せずに、自力で債権者と交渉することは、実際には簡単なことではありません。

また、弁護士や司法書士に債務整理をお願いすれば、借金が返せないことを原因とするさまざまな精神的な負担からも解放されます。借金・債務整理の相談は、ほとんどの弁護士・司法書士事務所は無料相談を実施しているので、借金が返せない(お金がない)というときでも安心して相談を受けることができます。

コスト・デメリットをおさえて借金問題を解決するためには、早期対応が何よりも大切です。
借金返済が苦しいと感じたら、できるだけ早く弁護士や司法書士に相談しましょう。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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